トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2021/04/02

【徳島】国交省など 吉野川水系流域治水プロジェクトを決定

 国土交通省徳島河川国道工事事務所や関係自治体で構成する「吉野川流域治水協議会」は、ダムや河川管理者など集水域から氾濫域にわたる流域全体のあらゆる関係者が協働して水害を軽減させる「吉野川水系流域治水プロジェクト」を決定した。気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、2021年度からハード・ソフト一体の流域治水に向けた取り組みを計画的に推進する。
 同プロジェクトでは、吉野川河川整備計画の計画期間(おおむね20年)を目安に、短期、中期、中長期の工程に分けたロードマップを示し、各流域の特徴を踏まえながら、上下流・本支川の流域全体を俯瞰(ふかん)し、国・県・市町が一体となって必要な流域治水対策に取り組む。戦後最大の「平成16年10月洪水」等と同規模の洪水を安全に流し、流域における浸水災害の軽減を図るため、▽氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策▽被害対象を減少させるための対策▽被害の軽減、早期復旧・復興のための対策−の区分ごとに具体的対策内容と実施主体を明記し、ロードマップに盛り込んでいる。
 短期では、本川の堤防整備と併せて土地利用規制を行う他、支川で河道掘削、雨水貯留施設の整備などを実施する。中期では、早明浦ダム再生を完了させる他、内水被害を受けやすい下流域で調整池の整備や排水機場の耐水化などを実施する。中長期では堤防未整備箇所の築堤に併せて土地利用規制を実施し、流下断面が不足する区間の河道掘削を並行して行い、流域全体の安全度向上を図ることにしている。
 今後は全国一斉のプロジェクト公表を受けて、21年度からプロジェクトの実施状況を踏まえながら協議会を適宜開催し、フォローアップを図る計画だ。
提供:建通新聞社