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建通新聞社四国
2021/04/15

【香川】JR四国が中期経営ビジョン

 JR四国は2030年度を見据えた「長期経営ビジョン2030」と、その実現に向けて25年度までに取り組む内容を示した「中期経営計画2025」を策定した。長期経営ビジョンでは「31年度の経営自立」を目標に設定。鉄道事業については安定的に事業運営できる体質を構築し、非鉄道事業では収益性を高めながら事業領域を拡大することで、19年度に489億円だった連結売上高を30年度に600億円に増やす。ホテル事業を最も注力する分野に位置付け、四国内の都市への出店を拡大するとともに、四国外進出も見据える。分譲マンション事業は連携などを通じてノウハウを蓄積し、所有する不動産の有効活用と収益物件の取得拡大に取り組む。
 長期経営ビジョンでは「鉄道運輸収入の安定的な確保」「省力化・省人化による生産性向上」「非鉄道事業での最大限の収益拡大」を基本方針として設定。併せて地域関係者との連携・協力を進める考えを打ち出した。
 鉄道運輸収入の安定的な確保につなげるため、交通結節機能の強化などハード面の取り組みと、利用しやすいダイヤ設定などソフト面の取り組みを並行して進める。
 経営基盤の強化としては、列車運行を効率化(システム化)し、建物や設備が老朽化している多度津工場を更新に併せて近代化する。
 非鉄道事業に関しては、ホテル分野で宿泊特化型ホテルの出店候補地の選定を進める他、駅ビル・不動産分野でターミナル駅が持つポテンシャルを生かすよう、高松駅や松山駅などで再開開発事業を展開する。
 地域関係者との連携・協力では、自治体や事業者、地域住民との取り組みや議論を推進し、新幹線などによる抜本的な高速化の早期実現を目指す。移動の特性や地域の特性・実情を踏まえつつ、モビリティ間の連携強化(MaaSなど)、交通結節機能の強化、駅を中心としたまちづくりなども行う。
 長期経営ビジョンの実現に向けた“構造改革第1段階”と位置付ける中期経営計画では、25年度のJR四国単体での営業収益を316億円(連結で555億円)、経常利益を3億円(同13億円)とする目標を設定。21〜25年度の5カ年の中期設備投資額として640億円(うち安全関連投資450億円)を見積もり、安全設備の整備や高架橋の耐震対策、雨量計の増設、橋梁のモニタリングシステムの導入検討などに取り組む。
提供:建通新聞社