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建設経済新聞社
2021/04/27

【京都】南丹市八木町の奥池を改修 約1・3億円かけ防災対策

 京都府は、南丹市八木町の農業用ため池の奥池について、堤体などの防災減災対策を講じる。
 奥池(南丹市八木町池ノ内)の堤体は、H5・80m、L77・35m、V9840m3。洪水吐は水路流入式でH1・20m、W4・30m。取水施設は、ため池栓φ100o・14孔、底樋(石造)600o×400o。設置年度は不明だが、80年以上のものとされる。
 京都府の防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画(令和3年度〜12年度)において、前期に防災工事に取り組むため池に位置付けられている。
 奥池は、堤体法尻部からの漏水、堤体の余裕高不足や洪水吐の能力不足から破堤の危険性が高く、また取水施設は老朽化による機能低下だけでなく、緊急時に放水ができない状況。このため、堤体、洪水吐、取水施設を一体的に改修し、破堤による被害を未然に防ぐとともに、従来の機能を回復し農業経営の安定を図る。
 洪水吐改修計画によると、計画基準雨量は94o/hr(1/200年確率雨量)、計画洪水量はQ15・18m3/s。洪水吐は越流堰式で、洪水量15・18m3。
 堤体補強計画によると、漏水防止のために前刃金工法により遮水を行う。堤体の地震時の安定性確保のため、改良土による補強を行う。法面保護工は前法面が張ブロック、後法面が芝付。浸食防止のための制波護岸工を行う。堤体は前刃金形、堤高は77・35m、堤体積は1万0430m3。貯水量は総貯水量・有効貯水量1万3800m3。
 取水施設改修計画によると、老朽化及び取水操作時の危険性回避のために、ため池栓を斜樋構造として改修を行う。必要な能力を有した底樋管と土砂吐ゲートも整備を行う。緊急時に放流するためのゲート設置を行う。取水施設の取水ゲートは斜樋(樋管φ250)で取水量0・115m3/s。放流施設(底樋)はHPφ900。
 環境への配慮では、植物については、工事後の復旧時に表土ごと復旧する。動物については昆虫のみであることから、工事影響範囲を必要最小限にとどめることで影響が少なくなるようにする。
 府営土地改良事業(奥池(池ノ内)地区)計画によると、農村地域防災減災事業として、南丹広域振興局は、令和4年度に工事着手、令和6年度に工事完了を予定する。
 総事業費は1億2810万円を見込む。内訳は堤体工3580万円、洪水吐工4150万円、取水施設工2560万円、仮設工840万円、測量試験費1070万円、用地補償費−、事務費610万円。
 年度別の事業費によると、令和3年度は測量試験費1070万円、令和4年度は堤体工2200万円、取水施設工2560万円、仮設費840万円、令和5年度は洪水吐工4150万円、令和6年度は堤体工1380万円を予定。
 なお南丹市は、平成30年度に南丹4期地区奥池(池ノ内)調査設計を内外エンジニアリングに委託し実施した。