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建設経済新聞社
2021/05/12

【京都】今熊野橋架替えJR西日本に一部工事委託 契約締結案を5月市会提出

 京都市は、東山区の今熊野橋を架け替えるにあたり、軌道敷内工事を西日本旅客鉄道梶iJR西日本)に委託する。18日開会の5月市会に委託契約締結案を提出する。
 橋長16m、幅員22・5mの今熊野橋(東山区今熊野宝蔵町、一般府道四ノ宮四ツ塚線(東大路通)/緊急輸送道路)は、大正10年建設で建設後約100年が経過。橋桁(鋼製)の一部が腐食し、床版(鉄筋コンクリート製)の表面のコンクリートが一部剥離しているなど、老朽化による損傷が著しい状況。橋桁を支える橋台(北側・A2)と橋脚(P1)がレンガを用いた構造となっており、耐震性能も不足している。
 橋りょう対策の優先順位を明確化した「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」の第2期プログラム(平成29年度〜令和3年度)に基づき、市は対策を進めており、同プログラムに位置付ける今熊野橋は、令和3年度から架け替え工事に着手する。架替え後の橋長は16mから18mとなる。
 軌道敷内の工事であり、施工にあたり、電車の安全管理・安全運行の下、精緻な施工計画の立案と施工管理を図る必要があり、その適正な履行を確保できるのはJR西日本のみであるため、同社に軌道敷内の工事を委託する。電車の運行に支障とならない工事は市発注工事とする。
 工事内容は@橋台新設(北側・A2)A橋台補強(南側・A1)B橋桁製作C橋桁撤去D橋脚撤去(P1)、旧橋台上部撤去(北側・旧A2)E橋桁架替F橋面工(高欄、舗装)。
 京都市発注工事は、@橋台新設(北側・A2)1基B橋桁製作F橋面工(高欄、舗装)等。
 JR西日本に委託する工事は、A橋台補強(南側・A1)1基C橋桁撤去D橋脚撤去(P1)1基、旧橋台上部撤去(北側・旧A2)1基E橋桁架替等。
 市発注の@橋台新設(北側・A2)及びJR西日本委託のE橋桁架替では、現在の片側2車線(4車線)の車道をそれぞれ3ステップに分けて工事を繰り返すことで、片側1車線(計2車線)を確保し工事を進める計画。
 工期は、市発注工事が令和3年度〜12年度、JR西日本委託工事が令和3年度〜13年度。
 事業費は、市発注工事が11億5000万円、JR西日本委託工事が37億5000万円としていたが、市がJR西日本及び交通管理者と綿密な協議を重ねた結果、安全な交通を確保した上で、大型のクレーンを使用することが可能となり、橋桁、橋脚、旧橋台上部撤去及び橋桁架替に関する作業の効率化が図れることから、委託工事の委託金額を減額。当初の37億5000万円から35億2300万円となり、2億2700万円減額した。
 内訳は、@道路施設工事31億5000万円(▲2億2700万円減)(○橋台補強南側2億5000万円○橋桁撤去12億9400万円(▲8600万円減)○橋脚撤去、旧橋台上部撤去(北側)5億8000万円(▲9000万円減)○橋桁架替2億7000万円(▲3000万円減)○仮設工4億7000万円○消費税2億8600万円(▲2100万円減)A鉄道施設工事3億7300万円(○電気ケーブル移設・復旧2億5200万円○軌道管理1億2100万円)。
 全体工期は令和3年度〜13年度。スケジュールによると、5月市会にJR西日本への架替工事委託契約締結案を提案し、その後、8月頃から軌道敷内準備工事に着手する[JR西日本委託工事]。10月頃から橋台新設(北側・A2)にとりかかる。
 それ以降、橋台補強(南側・A1)、橋桁撤去、橋脚撤去(P1)、旧橋台上部撤去(北側・旧A2)、橋桁架替[JR西日本委託工事]、橋面工(高欄、舗装)を実施する。令和12年度に全面供用開始する予定。軌道敷内復旧工事を引き続き進め、令和13年度に全体工事の完成を目指す。
 5月市会に提出する委託契約案によると、工事名は府道四ノ宮四ツ塚線今熊野橋(東海道本線山科・京都間)架替工事。工事概要は府道四ノ宮四ツ塚線今熊野橋(東海道本線山科・京都間)架替工事一式、工事延長18m、工事幅員22・5m。工事場所は京都市東山区南瓦町及び今熊野宝蔵町。金額は35億2273万7000円で、契約相手方は西日本旅客鉄道梶i大阪市北区)。竣工期限は令和14年3月31日。
 なお市は令和3年度当初予算の今熊野橋補修工事費に限度額37億円の債務負担行為を設定した。期間は令和4年度〜13年度。      ◇      
 なお市は、5月10日付で今熊野橋補修(その1)工事を一般競争入札で公告。工事概要は工事延長170m、既製杭工21本、橋台躯体工229m3、舗装工546u、道路付属施設一式、家屋調査一式、仮設工一式。工期は令和5年3月15日まで。
 令和3年度当初予算において、今熊野橋補修工事費に限度額37億円の債務負担行為を設定。期間は令和4年度〜13年度。