トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

滋賀産業新聞
2021/06/03

【滋賀】県土交部 新部長・野ア氏インタビュー

 今年春の滋賀県定期人事異動で県土木交通部長に就任された野ア信宏氏に県土木行政について話を伺った(コロナ感染症に配慮し、インタビューは文書形式で実施)。

 ―まず抱負として、どのような県土を築いていくか、どのように組織運営していくかについてお願いします

 野ア部長(以下、部長)県民の皆様の安全・安心を確保すること、暮らしや地域経済を支えることが、私どもが県土づくりを行う上で最も重要な使命だと考えています。
 安全・安心を確保する点では、全国的に豪雨による大規模災害が頻発し、気候変動によりさらに災害の激甚化・頻発化が懸念されている中、河川施設や砂防施設等のハード整備にしっかり取り組んでまいります。
 また2019年5月には大津市大萱6丁目で園児が死傷する痛ましい事故がありました。このような事故が2度と起きないよう交通安全対策にも力を入れ、さらに橋梁をはじめとする土木構造物の老朽化対策も早急に進めてまいります。
 暮らしや地域経済を支える点では、本県は自動車交通の需要増に対し、道路の整備が十分に追いついていない面があります。琵琶湖を取り囲む環状道路とそれに直交する放射状道路を基本的な骨格としながら、渋滞を軽減・解消し、住民が日常生活に使用する地域的な道路交通と物流を担う広域的な道路交通が混在しないような道路ネットワークを形成できるよう整備を行ってまいります。
 このように重要な業務を担っているため、職員が仕事に“やりがい”と“誇り”を持ち続け、困難なことがあってもチームで助け合いながら取り組んでいける職場の風土を築いていきたいと思います。一方、職員が仕事以外の自分の生活を大切にできるような職場環境を作っていくことも大切です。常に業務の見直しに心がけ、受注者である建設会社にお勤めの皆様も含め、業務の効率化・省力化により、ワークライフバランスを実現していかなければならないと考えています。

 ―入札制度改革についてはいかがですか

 部長 入札契約制度については、品質確保とコスト低減の両立を実現しながら、建設業の健全な発展に資する公正・公平な制度とし、状況に応じて受・発注者の事務の軽減についても配慮する必要があると考えています。
 昨年度までの「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」に引き続き、「5ヵ年加速化対策」が決定されたことから、今年度も格付区分ごとの請負標準金額を嵩上げする暫定措置と、価格競争を選択可とする工事規模の範囲を拡大する暫定措置を継続することとしました。
 今年度の総合評価方式では、施工実績を評価項目としない工事を増やすことで事務量の低減と受注機会の拡大を図るとともに、評価項目の設定により、発注機関ごとの工事発注状況や若手・女性技術者の育成、難工事の実績に配慮できる改正を行っています。
 また、昨年から建設業における働き方改革に対応するため、契約時に工事の始期を受注者が選択できる余裕期間制度の導入や、全ての工事を週休2日取組指定型工事で発注することとしています。今後も建設業界の皆様のご意見もお聴きしながら、より良い入札制度となるよう努めたいと考えています。
 なお、入札参加資格審査申請においては、県・市町の共同による申請受付窓口の一本化や申請の電子化について、令和4年度からの実用化に向け取り組んでいるところであり、これにより申請者の負担軽減を図ることとしています。

 ―今年度の大型所管事業についてお願いします

 部長 道路関係では、大津能登川長浜線(山手幹線)の橋梁工事が今年度最盛期となりますので、順次発注を行ってまいります。また近江八幡守山線(大津湖南幹線)や神郷彦根線、国道307号長野バイパス、原松原線(都市計画街路)において、橋梁下部や大規模土工、函渠などの工事を予定しています。
 河川関係では、姉川・高時川や大戸川、長命寺川、日野川において、河道掘削や護岸、築堤などの工事を、砂防関係では、米原市下丹生地区において急傾斜地崩壊対策、知内川支流において堰堤の工事を予定しています。

 ―予算執行についてお伺いします。国土強靭化5ヵ年分の増額に対しての対応は

 部長 昨年度までの「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」に引き続き、総額15兆円に上る「5ヵ年加速化対策」が国において決定され、その初年度分が昨年度末に補正予算として措置されました。今年度の県土木交通部の公共事業費は、その補正予算を含め、昨年度を大幅に上回る約620億円規模となりました。関係の皆様をはじめ、議会や市町の皆様にはご理解、ご支援をいただき、厚くお礼申し上げます。
 執行にあたっては、次年度以降の予算確保も見据え、計画的に事業を進捗させ、早期に効果を発現させる必要があります。このため、債務負担行為の活用による発注時期の平準化や、工事現場に行かずにタブレット等を用いて現地確認を行う「遠隔臨場」の本格的導入などにより、受・発注者双方の業務の省力化・負担軽減を図りながら、事業推進に努めてまいりますので、受注者となる皆様におかれましても、ご対応いただきますようお願いします。

 ―建設業活性化についてはいかがですか

 部長 全国的に建設業従事者の減少・高齢化が進行していますが、社会資本の整備・維持管理を行い、災害対応を通じて地域を守るために、建設業は不可欠な産業であり、将来にわたってその担い手を確保・育成することが建設業の活性化において最も重要な課題であると認識しています。
 このため、中・高生に対する現場見学会や出前授業、けんせつみらいフェスタ、広報誌の配布など、建設業界の皆様と連携し、建設業の魅力発信や建設業への入職促進の取組を進めており、令和元年度に滋賀県建設業協会が結成された「リクルートキャラバン」の活動に対してもバックアップをさせていただいています。
 また県教育委員会の協力を得て、今年度から彦根工業高校建設科に土木系科目を開設いただくことになりました。今後も効果的な取組を検討しながら、建設業の活性化に努めてまいりたいと考えています。

― ◇ ―

 野ア信宏氏(のざき のぶひろ)は、昭和36年12月14日生まれ。昭和59年3月大阪大学工学部土木工学科卒業、昭和59年4月滋賀県採用の後、平成30年4月琵琶湖環境部技監(下水道担当)、平成31年4月土木交通部次長、令和2年4月土木交通部理事(公共事業調整担当)などを経て、令和3年4月土木交通部長。

提供:滋賀産業新聞