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建通新聞社(神奈川)
2021/06/08

【神奈川】南武線連続立体 工法など見直し検討

 川崎市はJR南武線連続立体交差事業について、事業費の縮減と事業期間短縮に向け、仮線高架工法にとらわれず、構造・工法などを含めて見直しの検討を進める。これまでは都市計画決定されている道路(矢向鹿島田線)や沿線の都市施設(鹿島田駅のペデストリアンデッキ)を生かした連続立体交差事業を計画していたが、都市計画道路、鹿島田駅のペデストリアンデッキの変更も含めて見直す。今年の秋ごろに公表する予定の市総合計画「第3期実施計画」(素案)で、縮減効果など検討結果を明らかにする。
 見直しに当たっては、まず現行計画の仮線高架工法を前提に、高架橋の高さを低く抑えることで事業費縮減を検討する。ただ、この場合、鹿島田駅のペデストリアンデッキが障害となる。このため、都市計画道路の変更や鉄道の位置などを変更することで、別線高架工法が採用できないかも検討する。別線高架工法は、仮線高架工法に比べて仮線のスペースが不要になる分、事業費が縮減でき、事業期間も短縮できるという。
 また、平間駅踏切などについては早急に実施できる対策を検討する。JR東日本とは暫定対策の検討について5月に協定を締結。踏切の拡幅や立体横断施設の設置など、さまざまな対策について効果や事業費、事業期間などの比較検討を行う。
 この他、用地取得についても効率的に行うため、民間活用の検討、収用手続きを行う場合の課題を整理する。
 JR南武線連続立体交差事業は、矢向駅から武蔵小杉駅までの約4・5`を「仮線高架」形式により高架化し、9カ所の踏切を除却するもの。総事業費は1479億円(うち連立本体は1185億円、関連道路294億円)。20年度中に都市計画決定を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大を契機として、長期にわたり厳しい財政環境が続くこと、また、人的資源の面で負担が大きいことから、20年度中の手続き実施を見送った。提供:建通新聞社