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建通新聞社(神奈川)
2021/06/30

【神奈川】川崎市 等々力緑地再編整備 球技専用スタジアムの日常利用促進目指す 複合化 事業者選定でSDGs評価検討

 川崎市は、等々力緑地再編整備実施計画改定骨子(案)に盛り込まれた等々力陸上競技場の球技専用化について、「日常利用」を促進するため、施設の複合化などを検討する考えだ。事業者の選定に当たっては、公募による総合評価落札方式などの採用を予定しており、公募条件を整理していく中でSDGsの推進に寄与する評価項目を検討する。また、陸上競技場の球技専用化に伴う代替え施設として、補助競技場を現在の位置で改修する計画で、具体的な整備内容は現在検討中。実施計画の改定案とともに検討経過を含めて11月に示す。6月の市議会一般質問で押本吉司議員の質問に答弁した。
 等々力陸上競技場の球技専用化に当たっては、補助競技場を第2種公認競技場として改修することが要望されている。第2種公認を得るためには、芝生席を含む5000人以上を収容できるスタンド、100人を収容する更衣室、シャワー室、走路の8レーン化などが必要でかなり大がかりな改修が必要となる。そこで押本議員は、整備費用、工期などの課題認識と対応をただした。これに対して市は「改修は現位置を基本として考えている。大会利用に対応するための機能向上に向けては、隣接するふるさとの森、運動広場、多目的広場など周辺施設へ与える影響を考慮しなければならない。具体的な整備内容については現在検討を進めている」とし、改修内容や改修手法は、検討経過も含め実施計画改定案とともに示すとした。
 また、押本議員は、球技専用スタジアム整備などでの環境負荷低減策について質問。市は等々力緑地再編事業においてもSDGsの目指すゴールを具現化することが重要であり、実施計画改定骨子案でも新たに考慮すべき方向性として、だれでも利用しやすく、グリーンインフラなどSDGsの達成に資する取り組みを位置付けたと説明。さらに「球技専用スタジアムでも持続可能な開発目標の達成に向けて、雨水の有効利用、太陽光発電の導入、センサリールームの設置の取り組みに加えて、周辺エリアの価値の向上につながる地域のシンボリックとなる施設として整備していく」と答弁した。
 スタジアムの日常利用を促進するため、野外集客イベントの誘致、諸室の開放、プールを含むフィットネスジム、レストラン、地元住民から要望があるコンビニ、スーパーなど商業施設の併設、複合化が必要ではないかとし、他都市の導入事例を参考に検討するよう求められたことに対して市は、「現在の陸上競技場は魅力ある施設やコンテンツが不足していることなどにより、日常的な集客が見込めず、またスタンドの諸室が最大限活用できていない。日常的に利用され、にぎわう場の創出が必要と認識している」と表明。その上で「民間提案や他都市の整備事例を踏まえ、これまでの概念にとらわれない、柔軟な発想を取り入れ、さらなる施設の活用に向けて、民間活力の導入を前提に施設の複合化など条件整理の検討を進めたい」と答弁した。提供:建通新聞社