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建通新聞社(中部)
2021/07/13

【愛知】名市住都局 緑区役所は移転可 見解示す

 名古屋市住宅都市局は、鳴海駅前第2種市街地再開発事業で、駅北側街区への緑区役所など公共施設の移転は可能とする見解を明らかにした。すでにスポーツ市民局には知らせたとしている。これにより、区役所の移転は、スポーツ市民局の判断次第となった。区役所の老朽化対応が求められているのは、建設年の古い順に東区役所、守山区役所、緑区役所の3区役所。東区役所は、近隣に移転適地がないとも言われ、守山区役所は敷地内で建て替え事業が可能とみられるものの、更地≠フ鳴海駅前と比べれば事業展開には時間がかかりそうだ。鳴海駅前地区は、旧鳴海町役場があった場所に近く、緑区役所の移転はまちのにぎわいづくりにもつながるとする地元の声がある。これらを踏まえ、スポーツ市民局は判断を求められることになりそうだ。
 鳴海駅前の市街地再開発で、今後整備を進めていくのは駅北側のA・B街区。2街区は、古鳴海停車場線を挟み西側のA街区が面積約4100平方b、東側のB街区は面積約3800平方b。駅に近いのはB街区、交通処理をしやすいのはA街区といった特徴がある。
 両街区で用地取得が必要な物件は、昨年度までに3件あったが、1件は契約済みとなった。既設建物の解体撤去は本年度内に完了する見込みで、これによりB街区は全ての用地確保が完了する。
 再開発の建物規模などは、スポーツ市民局の判断がないと詳細検討に着手できない。このため、本年度に今後実施する調査では再開発事業関連調査を継続する見込み。ただ、用地をこのままにしておくのでは活性化につながらないため、暫定利用を検討するため地元との協議を開始したとする。
 現在の計画は、A街区に延べ床面積約1万7700平方b、B街区に同約1万5700平方b規模の建築物を建設する予定。
 名古屋市の区役所は、現庁舎で最も古かった中村区役所が移転建て替え中。千種区役所は現地建て替えに向けた設計を進めている。緑区役所は1973年完成で、建て替え計画が進行している2区役所を除くと東区役所、守山区役所(2区役所はともに70年完成)に次いで古い。
 緑区役所の現庁舎は、鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ5608平方bの庁舎など6棟からなり、全体延べ床面積は5990平方b。旧鳴海町、旧有松町、旧大高町の3町の中間付近に区役所を設けているが、合併(鳴海町は63年、他2町は64年)から58年が経過する中、同所に区役所を配置する根拠は薄れている。
 同再開発事業の事業期間は2027年度まで。

提供:建通新聞社