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北陸工業新聞社
2021/07/21

【福井】国土交通大臣表彰/21年度/建設事業功労/山本治和氏/当事者意識を持った上での連携を

 山本治和氏が、21年度の国土交通大臣表彰、建設事業功労者に輝いた。多年、建設業に精励し、関係団体の役員として地方業界の発展に寄与した功績が称えられた。様々な異常気象に対応できる仕組みの改正に力を注ぐ氏に、受賞の思いを聞いた。
 ◆危機感 近年の線状降水帯をはじめとした異常気象に触れた上で、受賞に関し「頂けるのは大変有難いことだが、素直に喜んでもいられない」と口にする。幸いにも近年、地域で死者が出るような災害は起こっていないが、「建設人として地域を守る役目がある中、従来の仕組みでは到底対応しきれない」と危機感を露わにする。
 ◆意識改革 昭和の時代に定められた各種の設計基準を全国規模で改めようとすれば計り知れない予算がかかる。役所としては想定危険個所を決めて淡々とやっていくしかないが、当然トントン拍子に進むわけでは無い。役所に駆け込み対応をお願いするレベルはとうに超えしまった。建設業に携っているかどうかの問題では無く、一人ひとりが自らの命を守れるような意識を構築していく必要がある。「我々は建設人であり、自主防災組織の一員であり、地域住民でもある」と語り、自分の命を人任せ、行政任せにする意識からの脱却を強調する。
 ◆課題 福井地区は3年、嶺南地区は約7年という豪雪周期の中で、積雪の少ないシーズンのオペレーターの対処はどうするのか。人材の老齢化への懸念もある。「餅屋は餅屋で、除雪業務は熟練した技能者を有する我々の業種ではあるが、『家の前に早く来てくれ』ではなく、自らが生活する地域においてどの路線が最重要路線であるか認識してほしい」と心の声を漏らす。様々な課題を皆で共有・理解したいとの考えを示した。

【履歴】
〈所属団体〉
福井県建設業協会 副会長
福井県建設産業団体連合会 理事
若狭地区建設業会 会長
建設業労働災害防止協会福井県支部 支部長
建設業労働災害防止協会福井県支部嶺南分会 分会長
小浜商工会議所 常議員
〈表彰〉
11年5月 福井県建設業連合会長表彰 特別功労賞
14年6月 全国建設業協会長表彰 特別功績者賞
〈功労〉
・昨今の大規模自然災害、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病への対応に危機感を抱き、毎年、会員の資機材や人員等の調査を実施、各会員の担当エリアを決め、万全な体制づくりに努める。
・17年に若狭地区協力雇用主会の設立に貢献。初代会長として現在も刑務所等への講演活動並びに自社の従業員に保護観察対象者等の雇用を行う等、当地域の厚生保護活動を熱心に続けている。

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