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建設新聞社(長崎)
2021/08/11

【長崎】島原天草長島連絡道路(深江町〜口ノ津港)

県市意見交換へ 松本市長「大きな一歩」
   南島原市の県要望の場で中村知事が表明

 松本政博市長や林田久富市議会議長をはじめとする南島原市の関係者は6日、県庁で高規格道路・島原天草長島連絡道路(深江町〜口ノ津港)の早期事業化など18項目を要望。これに対し中村法道知事は、深江〜口ノ津間の整備について、関係市と近く意見交換する方針を示した。これまで進展がなかった同道路の事業計画が動き出す見通しだ。要望書を持つ松本市長と中村知事

 松本市長は、島原天草長島連絡道路について「1994年の候補路線指定から全く進展がない」とし、同市を通る高規格道路がほとんどないため、豊富な農林水産資源や観光資源を生かせていないと主張。早期事業化に向けた格段の配慮を求めた。
 中村知事は、国が大型公共事業の見直しによって、同道路を含む海峡横断プロジェクト≠凍結している状況を説明。一方で、全国的な広域道路ネットワークの見直しが進められ、長崎・熊本・鹿児島3県の新たな広域道路交通計画の中で、同路線を『構想路線』に位置付けたことに触れた。そして「深江〜口ノ津港の区間は、産業振興を図る上で極めて重要。本年度から整備の方向性につて検討を進める」と述べ、近く地元関係市との意見交換を行う考えを明かした。
 要望の場に同席した奥田秀樹土木部長も「まずは内部で率直な意見交換し、いろいろな工夫をしながら実≠採れるようにしたい」と述べ、当面は県市の実務担当者で話し合いをしていく方針を示した。
 この動きに対し松本市長は「地域の悲願(の達成に向け)、大きな一歩になる」と、深く感謝した。
島原天草長島連絡道路
自転車歩行者専用道路 スマート農業の推進も

 当日の要望では、島原天草長島連絡道路とともに、自転車歩行者専用道路に係る財源確保と、スマート農業の推進について、松本市長が知事に直接説明した。
 このうち自転車歩行者専用道路は、南島原市が国庫補助事業とともに過疎対策事業債の活用を予定しているとし、過疎債の配分について特段の配慮を求めた。中村知事は過疎債について、全国的に要望が多く厳しい状況だとしつつも、「できるだけ確保できるよう努力していく」と応えた。
 スマート農業では、松本市長が「条件不利地域での農作業の省力化・効率化に向け技術の確立を目指している」とし、専任技術者の育成に向けた技術実証の拠点を、同市に置く事を要望。中村知事は、この3月に県が『スマート農業推進方針』を策定し、窓口担当者を新たに配置したことに触れ、積極的な取り組みを進める南島原市に対し、県としても支援に努める姿勢を示した。
ksrogo