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日本工業経済新聞社(群馬)
2021/09/02

【群馬】県利根沼田農業事務所農村整備課は牛の平で初段工

県利根沼田農業事務所農村整備課が2020年度に採択を受けた片品村牛の平地区の畑地整備について、近く初弾工を指名競争入札で発注する。21年度は3・6haの区画整理と200mの排水路に着手する予定で、工期は6カ月程度となる。22年度以降も引き続き工事を進め、26年度の事業完了を目指す。実施設計はプロファ設計(伊勢崎市)がまとめた。
牛の平地区は、周囲を山に囲まれた約20haの農地。花豆やとうもろこしなどといった農作物を中心とした山間農業地帯だが、条件不立地であることや農業用水施設が整備されていないことに加え、農業者の高齢化も重なり、遊休農地化が課題となっていた。
水利施設等保全高度化事業の畑地帯担い手育成型により狭小な道路や不整形な区画の改善、農業用水施設整備などで、持続的に農業を営める環境を整える。また、農地中間管理事業による農地集積を行い、担い手の生産性と収益性の向上を図る。
事業全体で14・6haの区画整理を計画している。工事区間を3つに分けて年度ごとに事業を進めていく。
21年度は初弾工として、区画整理と排水路工に着手。発注はそれぞれ指名競争入札で9月中に着工する。区画整理は3・6haの整地工のほかに、300o〜500oのU字溝を580mで敷設する。また、道路工1623mを敷砂利舗装で行う。全幅は5m、有効幅員4m。
排水路工は、延長214mで石積工を130mのほかに、1・8m×1・8mのコンクリート2次製品ボックスカルバートなどを整備する。
事業全体の工事内容は区画整理14・6ha、畑地かんがい整備11・5ha、獣害防護柵1000mとなる。工事費は区画整理3億1500万円、畑地かんがい、防除用水など6300万円、獣害防止柵1400万円を予定している。
道路計画は、支線道路3路線計900mおよび地区外道路1路線140mでアスファルト舗装を行う。また、9路線計3340mにおいて敷砂利舗装を予定している。13路線ともに全幅5m、有効幅員4m。
同地区は環境配慮区域となるため、工事に先駆け貴重動植物の調査を地元の県立尾瀬高校自然環境科理科部の生徒や牛の平土地改良区、村役場、県立昆虫の森などの協力により行われた。発見された貴重動植物は移設し、水辺環境は地中基盤土内にある大きめの石により幹線排水路の護岸の一部とするなど、環境への配慮に努めながら事業を進めていく。
同地区の営農構想は15年10月から検討を進め、20年2月25日に36人の受益者と7人の担い手が片品村役場で担い手参画協定締結式を開いた。
栽培予定の作物は雨よけトマト、そば、白小豆を予定、中山間地域の農業振興モデル地区となることが期待されている。