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北陸工業新聞社
2021/09/30

【富山】とやま新機軸/新3Kの職場へ転換を/県建設業協会会長竹内茂氏/「女性部会等の設立検討」

―会長として3期目を迎えられましたが、改めて就任の抱負をお願いします。
 昭和23年の設立以来、70年余の歴史を刻んできた伝統ある(一社)富山県建設業協会の会長という重責を引き続き担うことになり、改めて身の引き締まる思い。
 現在の建設業界には、公共事業予算の増額・安定確保を始め、担い手の確保・育成、生産性の向上など多くの課題があるが、会員の皆様の声に耳を傾け、会員企業の繁栄、建設業界の発展のために、微力ながら全身全霊をかけて職責を全うしたいと考えている。
―地域建設業がさらに発展し、今後も社会的使命を果たしていくために必要な取組みについて。
 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、地域建設企業は、従業員の感染予防対策の徹底を図るとともに、資機材の安定的な調達等に苦心しながら円滑な工事の施工に努め、社会資本整備の担い手としてその使命を果たしているところ。
 また、本年1月上旬の記録的豪雪時には、困難を極める中、24時間体制で除雪に当たるとともに、1月下旬には鳥インフルエンザへの対応のため緊急出動するなど、「地域の守り手」としての役割の重要性も再認識されたものと考えている。
 コロナ禍を乗り越え、ポスト・コロナの時代においても社会的使命を果たしていくためには、企業経営の安定化を図り、インフラの整備・維持管理や災害・除雪等への対応に必要な人員や資機材を維持し、常に対応できる体制を整えておくことが必要。
 このためには、今後とも長期的な見通しの下での安定的・持続的な公共事業予算の確保とともに、担い手の確保・育成を図るため、「賃金・休日等の改善」、「女性等の多様な人材が活躍できる環境整備」、「ICTの活用やDXなどによる生産性の向上」など働き方改革に取り組む必要がある。
―これらの取組みのうち、特に重点を置く事業の内容をお聞かせ下さい。
 政府が新たに取り組む「防災・減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策」が本年から始まり、本県においても昨年度を上回る仕事量が確保されるものと考えるが、来年度以降の公共事業予算確保などのために、発注者と受注者とのタイムリーで、かつ、地域の実情に踏み込んだ意見交換を推進し、公共事業を着実に推進する取組みを強化する。
 担い手の確保・育成については、高校生に対する現場見学会や出前講座の開催、その親御さんとの意見交換会などにおける建設業の魅力のPR、仕事に早く慣れ自信を持って取り組めるよう、新入社員合同研修会や施工管理技術検定試験直前対策講座の開催などを継続するとともに、週休二日制の推進や長時間労働の是正に一層取り組む必要がある。
 さらに、建設業における女性活躍の推進を図るため、今年度から(仮称)女性部会等の設立に向けた検討を進めることとしている。
 いずれにしても、新しい3K「休日」「給料」「希望」の職場への転換を図ることが、若者や女性にとって夢と希望の抱ける産業として発展していくことにつながるものと考えており、全力を挙げて取り組んでいきたい。
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 たけうち・しげる 1953(昭和28)年12月生まれ。67歳。婦中興業代表取締役社長。県建設業協会では99年に理事、04年に常任理事、11年から副会長を務め、17年に会長就任。今年6月29日に会長再任(3期目)。富山市在住。

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