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建通新聞社(神奈川)
2021/10/11

【神奈川】川崎市 等々力水処理センター脱窒ろ過池躯体築造へ

 川崎市上下水道局は、等々力水処理センターの高度処理事業で新たに建設する流量調整池の土木工事がほぼ完了したことに伴い、沈砂池と流量調整池を結ぶ管路の整備を始める他、2022年度以降に流量調整池の設備工事を発注する見通しだ。同じく新設する脱窒ろ過池については掘削工事が進んでおり、今後、躯体の築造工事を11月ごろにWTO対象の総合評価方式一般競争入札により発注する予定。
 反応タンク第6系列については高度処理が可能な施設として建設中で、土木工事(耐震補強と防食工事)が年内に完了する見通し。第6系列の設備工事(機械工事と電気工事)は22年度末の完了を目指して工事を進め、併せて最終沈殿池と最初沈殿池の機械工事も完了させる。第6系列の建築設備(換気、空調)は22年度に発注する予定。
 等々力水処理センター(中原区宮内3ノ22ノ1)の高度処理事業は、東京湾の富栄養化を防ぐための取り組みの一環。同センターでは03年度に一部高度処理施設が完成しているが、窒素やりんを除去することが難しい施設であったため、新たな高度処理技術を開発し、現在その技術導入に向け、流量調整池、脱窒ろ過池などを建設している。
 新設する流量調整池は、水処理センターへの下水の流入量を安定させるために下水を一時的に貯める池で、等々力緑地の地下に建設中。規模は鉄筋コンクリート造地下2階構造、縦約75b、横約74b、深さ約18b、貯水量約1万d。今年6月末までに躯体が完成した。
 脱窒ろ過地は、微生物の働きとろ過により、下水に含まれる窒素と水の汚れの成分を従来以上に分解し、きれいにする施設。同じく等々力緑地の地下に建設を進めている。規模は鉄筋コンクリート造地下3階構造で縦約60b、横約124b(最大)、深さ約24b、1日の処理量約20万d。掘削時に土が崩壊しないように連続地中壁を築造した上で、作業台(桟橋)や土留め支保工を設置しながら掘削を進めている。9月現在で深さ約17bまで掘削が進んだ。
 反応タンクについては、窒素・りんを同時に除去するために必要な改造を行う。現在は第6系列の躯体の耐震補強工事と防食工事を実施していて、12月の完成に向けて工事を進めている。プラント設備(機械設備と電気設備)の工事も22年度末に完了予定。建築設備工事は22年度に発注する。反応タンクの改造に合わせて、最初沈殿池と最終沈殿池も高度処理に対応できるよう機械設備工事を実施している。
 既存の第1〜5系列の反応タンクは順次改造していく計画。提供:建通新聞社