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北陸工業新聞社
2021/10/19

【福井】建設マスター受賞者インタビュー/フクセンの大川登さん/より綺麗な現場を目指して/思い描いたものが形になる達成感

 21年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)に、土工の大川登さん(フクセン専務取締役)が選ばれた。
 今の気持ちを「大変な名誉で有難い。今後とも頑張っていきたい」と謙虚に語る。
 この道に進んだのは「昔から漠然と興味があったから」と話し、特に何かの影響があって決めた訳ではなかった。名古屋の専門学校を卒業後、地元である小浜に戻り就職。「最初の3年間は嫌で仕方がなかった。いつ辞めてやろうか、とずっと思っていた」と当時を回想する。それでも継続しているうちに「実際に出来上がってきた現場を目の当たりにすると感動があった」と徐々に土木の面白味が理解できるように。職業柄、春夏秋冬の移り変わりを間近で感じることが出来るのも醍醐味のひとつで「春先の現場は物凄く気持ちが良いね」と軽快に話す。
 印象に残った現場は2つあり、まず07年度の「広域営農団地農道整備事業若狭西3期地区平成18年度第1号工事」では知事表彰を受賞。「複雑な形状の現場だったが、綺麗にできた」と振り返る。直近では小浜市国道162号で行った「道路改良工事30―5」の現場について、「幅員狭小かつトレーラーが多数通行するような現場だが当初は仮設を急なカーブで計画していた。そこをなるべく直線になるよう線形改良すると思い通り上手くいった」と喜びを表す。
 後進育成については「昔は技術もアナログで、拘束時間も長く、深夜まで毎日仕事しているような生活だったが、今はICT化により体力的・時間的にも随分とやりやすくなった」と時代の差を体感。自身の息子が同社に入社しており、ちょっとした機器やソフトの動作を教えてもらうシーンもある。技術の進歩に目を見張るも、若い世代には「もう少し、稼ぎたいとか欲があっても良いのではないか」と率直な感想も出てくる。形に残り、出来上がったものを見るとやはり大きな達成感が生まれる。今後も「より良い綺麗な現場を作っていく」と一層の成長を誓う。

おおかわ・のぼる
57歳 土工

hokuriku