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北陸工業新聞社
2021/10/28

【新潟】公共投資の確保など要望/北陸地区建設業協と国交省/懇談会開く

 全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)および北陸地区建設業協会(富山・石川・新潟県建設業協会)と国土交通省の2021年度地域懇談会が26日、新潟市中央区で開かれた。安定的・持続的な公共投資の確保や担い手の確保・育成、週休2日制の環境整備など直面する課題に関し、解決に向けて認識を共有した。
 全建からは奥村会長ら7人、新潟建協から植木義明会長ら6人、富山が竹内茂会長ら4人、石川から平櫻保会長ら4人、長野はオブザーバーとして木下修会長ら2人。国交省からは大澤一夫不動産・建設経済局官房審議官、岡村次郎北陸地方整備局長ら9人が出席した。
 会に先立ち、植木会長が「災害時には現場の最前線で昼夜を問わず、地域社会の安全・安心を守る地域の守り手であり、雇用を下支えする基幹産業」と訴えるとともに、コロナ禍や自然災害などを踏まえた東京一極集中に触れ「新潟は人口の社会減が大きな問題。地方分散型の社会基盤整備に大いに期待するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも検討をお願いしたい」と強調した。続いて、大澤審議官は自然災害に対応する建設業に感謝の意を表し「地域の守り手として担い手育成が課題。労務単価の引き上げ、週休2日など処遇改善に取り組んでおり、女性や若者が活躍できるよう、官民一体で推進することが重要」と話し、必要な予算を確保すハード・ソフト対策を強力に推進する考えを示した。奥村会長はコロナによる民間の工事量減少を危ぐし、「防災・減災・国土強靱化のための5か年加速化対策による社会資本整備を着実に進めていただきたい。災害から地域を守り、ポストコロナからの新たな造り手として、魅力ある建設業を目指していく」と強く呼び掛けた。
 国交省からは、新・担い手3法のさらなる深化・定着と中長期的な担い手の確保・育成が議題として挙げられ、防災・減災、国土強靱化対策等の円滑な推進、新型コロナウイルス感染症に伴い求められる対策、i―Constructionによる生産性向上、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取組み、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及・活用の推進などに関し意見を交わした。
 要望では、新潟建協が「安定的・持続的な公共投資の確保」を提案し、首都圏と地方での事業量の地域間、企業間格差による厳しい経営環境を説明するとともに、若手技術者や技能者の新規入職の確保も厳しいと訴えた。また、防災・減災対策、国土強靱化の安全・安心な県土づくり、社会資本整備の推進など長期的な見通しの中で、公共投資の確保を求めた。そのほか、「適正な工期設定と条件明示」「ICT活用工事の普及拡大に向けた取組み」を課題とした。
 富山建協は「働き方改革の推進などによる担い手の確保・育成」を発表し、週休2日制が不可欠とした上で準備期間等を含めた適正な工期設定や、債務負担行為などの発注・施工時期の平準化などが重要だと指摘。また、施工条件の変化等に応じた適切な設計変更のほか、設計労務単価の引き上げを強調。加えて、「安定的・持続的な除雪体制の確保」では、近年の大雪などを例に挙げながら、除雪機械やオペレータの確保、小雪時でも費用が確保できる最低保証制度の導入などを提案。
 石川建協は「週休2日制の推進に向けた環境整備」に関し、発注者主導による統一的現場閉所や、週休2日モデル工事をさらに拡大するとともに、余裕期間制度を活用した適正な工期設定、施工条件の明示、工事工程表の開示など工程の共有、現場の実態を踏まえた補正係数の大幅な見直しのほか、日給月給制の技能労働者が減収とならないよう、設計労務単価の見直しを訴えた。また、「地元建設企業の受注機会の拡大」、「熱中症対策の支援拡充」の要望についても現状を説明し、理解を求めた。

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