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日本工業経済新聞社(群馬)
2021/10/28

【群馬】県東部農業事務所農村整備課は藤川用水を2022年度も


県東部農業事務所農村整備課は邑楽町内を流れる藤川用水の老朽化対策として、水路敷設替え工事を進めている。2022年度も工事を実施し、23年度の事業完了を目指す。22年度に延長約120m、23年度に約80mの施工を予定している。21年度はL型水路工147mを真仁田土建(邑楽町)が担当している。21年度の事業費は7500万円だったため、22年度もほぼ同額の事業費での工事が見込まれる。
工事区間は、町道の藤川橋から国道122号琵琶橋までの約350m。既存水路は現場打ちコンクリートで幅3m、高さ1・2〜1・7m。両側に転落防止のメッシュフェンスが設けられている。町道との交差部にあるボックスカルバート2基の補修も行う。内空断面は水路部と同様となっている。設計業務はプロファ設計(伊勢崎市)が担当した。
同用水は整備から25年程度が経過しており、水路壁面のコンクリートで一部骨材や鉄筋などが露出している。ボックスも同様に底面が流水によって磨耗している状況。
既設水路を撤去して、新たに2次製品のL型水路を設ける。底面は現場打ちのコンクリートで仕上げ三面張りとする。水路断面は既設と同様となる見込み。フェンスは基礎部分から取り除き、水路の整備後に再設置する。
ボックスカルバートの補修については、モルタル吹き付けを中心に行う方針。工事にあたり、施工箇所に至る進入路の開設も予定している。秋以降の着工となることから、水田を借り上げ、鉄板敷きで整備する計画となっている。
藤川用水の計画的な補修・改修を進めていくため、18年度にプロファ設計(伊勢崎市)に委託して、機能保全計画を策定している。実施した機能診断で、今回の工事区間は農林水産省が定める健全度指標でS−2(施設の構造的安定性に影響を及ぼす変状が認められる状態)に位置付けられた。また、ボックスカルバート2カ所は、S−3(変状が顕著に認められる状態)の判定が出た。事業申請へ向けた資料作成もプロファ設計が担当している。
同用水は藤川地内にある藤川本堰で一級河川藤川から取水し、中野地内で一級河川多々良川へ流入する。全体延長は約2400m。1983〜95年に県営事業で施工した高島東部ほ場整備および、90〜95年の県営かんがい排水事業藤川地区で整備された。周辺の水田へ農業用水を供給し、受益面積は165ha。管理は待矢場両堰土地改良区(太田市)が担当している。
同用水の残る約2000m区間については機能保全計画で2029年度から具体的な対策をとることが位置付けられており、今後も補修が必要な箇所を見極め、工事を進める。