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建通新聞社(神奈川)
2021/11/09

【神奈川】川崎市 「CCUS 活用予定ない」が約6割

 川崎市が入札契約制度の見直しを検討するため、市内建設事業者を対象にアンケート調査を行ったところ、建設キャリアアップシステム(CCUS)については「活用する予定はない」が回答の58・9%を占めた。理由として「活用するメリットが分からない」が最も多く49・2%だった。建設キャリアアップシステムの活用を促すため、総合評価でインセンティブ導入を検討することに対しては「時期尚早」という意見があった。
 また、市の「発注方法」に対しては、総合評価方式で入札を行った結果、くじ引きで決定するのをやめて「業種情報の工事成績平均点の上位による決定を行ってほしい」という意見や、「週休2日制モデル工事の人件費の単価を1・05から「1・25〜1・30」程度まで引き上げるよう求める意見があった。
 災害対応を担う建設業者を確保・育成する観点からは、「機械や労務を有している業者にインセンティブを与える発注を指名競争に取り入れてほしい」「災害対応に実際に寄与できる事業者に対する評価をさらに行ってほしい」との意見が寄せられた。
 アンケートは、市内建設事業者645社を対象に、今年6月から7月にかけて電子メールで実施。全体の約14%に当たる90社から回答を得た。
 建設キャリアアップシステムについては「活用している」が17・8%(16社)。これに対して、「活用していない」が21・1%(19社)、「今後も活用する予定はない」が58・9%(53社)だった。活用する予定がない理由は「費用負担関係」「活用するメリットがわからない」などが挙がった。
 建設キャリアアップシステムの活用を総合評価の加点項目としている自治体があることを踏まえて、川崎市の総合評価項目でインセンティブとして検討することについては、肯定的な意見よりも否定的な意見が目立った。理由としては「中小零細企業は導入が遅れているので、導入については、もう少し猶予期間がほしい」「導入支援や周知を丁寧に行ってから、導入の検討をしてほしい」など導入に時間をかけるべきとする意見に加えて、「現場作業に従事する全ての技能者が制度に加入しておらず、導入費用の負担に関することや制度の周知が元請け、下請けのどちらにも徹底されていない」「小規模現場では活用できないのが実情」などの指摘が出た。
 さらに建設キャリアアップシステムの活用に向けては、「総合評価落札方式を採用した一般競争入札で加点対象とするよりも、週休2日制確保モデル工事と同様に、契約金額に対する補正や工事成績評定で加点対象とする方が受注者にとって魅力的であり、効果がある」といった提案もあった。 提供:建通新聞社