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建設経済新聞社
2021/11/15

【京都】新・府営水道ビジョン構成案 リスク対策で連絡管接続盛る

 京都府は12日、新たな府営水道ビジョンの構成案を府営水道事業経営審議会に報告した。
 府は、新ビジョン策定に向け検討部会を立ち上げ。今年3月、10月に部会を開催し構成案をまとめた。
 新ビジョンの計画期間は令和5年4月〜令和14年3月の10年間。持続可能な府営水道事業のための目標や取組方策を記載する。
 40年後の1日最大給水量が約3割減少(21万7000m3/日→15万1000m3)と見込み、施設老朽化による更新需要の増加と水需要減少により、給水原価は府営水道と受水市町全体で約2倍に上昇する見通し。そのため施設規模の適正化や広域連携の検討が不可欠とした。
 新ビジョンの事業目標及び取組方策案によると、「安心・安全+連携」では、長期目標〈@危機管理対策の推進強化〉〈A様々なリスクに対応する施設強靭化〉〈B安心・安全のための水道システムの充実〉を掲げ、それぞれに計画期間目標と計画期間の取組を設定した。
 @危機管理対策の推進強化の計画期間目標は[リスク対策の促進][災害発生時の対応スキル向上][応援受援体制の強化]、計画期間の取組は[市町との防災設備(連絡管接続等)の検討][市町を含めた合同訓練の実施][広域訓練への参加]。
 A様々なリスクに対応する施設強靭化の計画期間目標は[管路及び浄水施設の老朽化対策の推進・耐震化率の向上]、計画期間の取組は[計画的な施設更新の実施][府営水道と受水市町全体の施設の適正規模と配置の協議(コストとリスクマネジメントを考慮した施設共同利用、ダウンサイジング)]。
 B安心・安全のための水道システムの充実の計画期間目標は[水質リスクへの対応強化]、計画期間の取組は[水安全計画の継続実施][水質変動に対応した浄水処理検討][広域水運用及び受水市町の浄水施設を活用した全体的運用]。
 「持続+連携」では、長期目標〈C既存施設を最大限活用した水道施設の整備〉〈D経営基盤の強化〉〈E経営状況の改善〉〈F人材の確保〉を掲げた。
 C既存施設を最大限活用した水道施設の整備の計画期間目標は[水道施設整備方針の合意]、計画期間の取組は[府営水道と受水市町全体の施設の適正規模と配置の協議(コストとリスクマネジメントを考慮した施設共同利用、ダウンサイジング)]。
 D経営基盤の強化の計画期間目標は[適正な料金水準の維持][経営形態の検討][業務の共同化・広域化など広域連携の推進][建設負担水量の調整][環境に配慮した経営の推進]、計画期間の取組は[『投資計画』による将来に負担を先送りしない適正料金の維持][経営統合(企業団化等)も含めた経営形態のあるべき姿の検討][浄水処理施設維持管理の広域化][各種システムの仕様統一][水量調整の方向性の合意][使用料金のあり方検討][再生可能エネルギーの活用][効率的な施設運用の継続]。
 E経営状況の改善の計画期間目標は[資金残高の確保、企業債残高の削減]、計画期間の取組は[取組期間中の投資・収支計画による健全な経営の維持]。
 F人材の確保の計画期間目標は[事業運営に必要な人員の確保]、計画期間の取組は[組織力維持のための職員年齢(経験年数)の平準化][職員採用・補充・拡充による確実な技術継承、職員スキルアップ][市町を含めた人事交流]。
 今後は、検討部会での議論を重ね、中間案をとりまとめ、令和4年12月〜令和5年1月頃にパブリックコメントを実施したうえで、令和5年3月頃に新ビジョンを公表する予定。