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建通新聞社(東京)
2021/12/06

【東京】都 日比谷公園再生、基本設計は日建設計

 東京都建設局は日比谷公園の再生整備に伴う基本設計業務の委託先選定でプロポーザル手続きを実施した結果、日建設計(千代田区)を特定した。12月2日に同社が提案した1812万円(税抜き、以下同)の見積金額を採用して契約を結ぶ。Park―PFIで再整備する大音楽堂(日比谷野音)など一部のエリアを除く約14・2fを対象に、2022年度末までに基本設計をまとめてもらう。後続の実施設計などを経て、33年の開園130周年に向け再生整備を順次進めていく。
 日比谷公園(千代田区日比谷公園)は開園面積約16・2f。このうち今回は日比谷野音などを除く約14・2fを対象に基本設計を行う。
 3月に策定した再生整備計画によると、同公園の持つ文化・歴史的資産を継承しつつ、周辺地域との回遊性向上、グリーンインフラとしての新たな価値創造といった将来像を描いている。
 具体的な取り組み内容を見ると、皇居外苑につながる祝田門付近のエリアを「HIROBAs(仮称)」と名付けて全面的に改修。天候の影響を受けにくい大屋根付きの広場空間を設け、展示やテレワーク、憩いの場として活用する。噴水広場や大芝生広場、球技広場をはじめ、多種多様な広場をエリア内に配置することで健康や運動に関連する機能の強化にもつなげる。
 また、日比谷公会堂と小音楽堂をつなぐビスタ軸(直線的な景観軸)を生かすため、軸の中間に位置する立ち入り不可の花壇を芝庭広場へと再整備したり、大噴水を視線を妨げない高さに改修したりする。開園当初から残る六つの門の改修や、日比谷公園の特徴であるS字型園路のバリアフリー化、運営・維持管理へのICT導入なども想定している。
 基本設計では、再生整備計画をベースに@ユニバーサルデザインによる施設の改修設計A歴史・文化性の高い資源の保存と活用B公園と周囲の街との回遊性強化のための施設改修や運営管理Cエリアマネジメント団体など多様な主体との連携強化を見据えた施設の提案―の四つの視点を掲げて、公園の骨格となる施設配置や諸施設の概要、植栽などの概略を検討する。委託期間は23年3月20日まで。
 業務委託で事後公表した予定価格は1816万7000円。落札率は99・7%だった。提供:建通新聞社