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滋賀産業新聞
2021/12/09

【滋賀】甲賀市 甲南認定こども園の整備

 甲賀市は、甲南地域にある公立保育園5園のうち、希望が丘保育園を除く4園を統合し、新たに私立認定こども園を設置する「甲南認定こども園整備事業」について、12月補正予算案に債務負担行為で3532万円の事業費を予算措置した。現在進めている甲南地域保育園再編検討協議会(奥村容久委員長)との協議を煮詰めていくことと並行して、建設地適正調査を実施し早期の選定、事業スケジュールの策定へと進めて次年度へと繋げていく見通しだ。
 今回大幅に事業費が組み込まれたことから、協議及び建設地が決定すれば、補正等で関連事業費を追加し事業が加速化される可能性がある。各施設の老朽化や園児数の推移等を鑑みると、同地域においては個々の施設整備を進めていくより、最新施設・設備を有す安全強度の高い認定こども園を設置する方が有効であり、防災拠点としての観点からも地域に寄与できることから早期の事業着手が期待される。
 なお、検討されている建設用地は、同地域の市有地・民有地を含め全域を対象とし調査が行われている。協議会で候補地を市に提案し、総合的な観点をもって市が最終判断する見通しだ。
 統合対象は、▽甲南西保育園(S造平屋建、529・74平方b)▽甲南東保育園(S造平屋建、447・17平方b)▽甲南南保育園(S造平屋建、529・74平方b)▽甲南北保育園(W造平屋建、644・58平方b・休園中)―の計4園。それぞれの施設は老朽化が著しく、厳しい財政状況から過年度に施設修繕を実施し最低限の整備は行っているものの、建物自体の耐震性に不安がある。子どもの安全を守るとの考えから、同地域の保育園のあり方を検討。結果、同地域に認定こども園を設置することとなった。
 市は、子どもの育ちをめぐる環境の中で、▽核家族化の進行▽兄弟姉妹数の減少▽家庭や地域における人と人とのつながりの希薄化―などの全体課題と、老朽化が進行している教育施設が市内に多くあることなどの問題点をふまえ、解決に向けた取り組みを着実に進めるためには園・学校の統合は避けては通れないと判断、24年度まで有効の「甲賀市幼保・小中学校再編計画」を15年度に策定し解決に向けた施策の展開を図ってきた。今回の統合は再編計画に沿って協議されたもので、新しく整備される施設には地域の防災拠点施設としての機能を加えると同時に、園の役割を終える施設跡地については、まちづくりの観点から総合的な活用を地域と検討し、教育の観点だけでなく、地域の活性化に寄与する施策となるよう配慮していく。

提供:滋賀産業新聞