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日刊建設工業新聞
2021/12/21

【鳥取】受発注者、検査3者で/土木工事めぐり意見交換/ICT活用でも協議/西部土木技士会

 県西部土木施工管理技士会、米子県土整備局、米子工事検査事務所の三者による意見交換会がこのほど、米子市旗ケ崎の米子食品会館で開催された。技士会からは森山和則会長(美保テクノス)をはじめ26人、県土局から田村満男局長ら6人、検査事務所から松本和芳所長ら2人が出席。コロナ禍の影響による休止期間を経て2年ぶりの開催となり、土木工事に関する様々な問題点について率直な意見が交わされた。
 はじめに田村局長と森山会長があいさつ。その後、技士会の技術委員長を務める津村寛司氏(イワタ建設)の進行のもと、技士会から提出された意見について県土局と検査事務所が回答した。おもな内容は施工・検査・ICTの3分野で、12の議題について協議した。
 河床掘削工事の起工測量については、測量結果が受注時に無いため、受注後に受注業者が現況の着手前測量を実施して土量や施工幅・延長を決定している。これについて技士会から実施経費の変更計上を求める声が上がり、県は新たに基準点設置する費用や縦横断図を作成する費用について、設計計上していくと説明した。
 また、土木工事施工管理ハンドブックに記載の無い工種の出来形・管理項目・規格値などについては監督員と協議することとなっているが、承諾を得たにもかかわらず検査の際に指摘を受けたケースがあったことについて質問。検査事務所は、書面での協議を行っていない場合や施工計画書への記載のみとなっている場合は指摘対象になる可能性があるとし、必ず書類での協議を行うように呼びかけた。
 ICT普及に関しては、実際にICT施工を実施した業者が「ICT建機の日当たり施工量が伸びず、工程が長引いて積算費用と合わなくなる」ケースや、「高価なICT建機をリースするにあたって、未使用期間の金額ロスが発生する」など、現状抱えているデメリットを指摘。県は改善に向けて内部で検討を進めることを確認した。
 そのほか技士会は、工事を受注してから実工事に着工するまで1カ月以上のブランクがあるケースについて質問。開始が遅れても工期は変わらず、業者の施工計画に大きな影響が出るため対応を求める声が挙がった。これを受け県は、やむを得ず見込み発注となる場合を除き、発注前の設計内容の確認を十分行い、円滑に工事実施できるような条件処理に努めると回答した。

日刊建設工業新聞