トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2022/01/20

【鹿児島】県内自治体の地域平準化率/全国平均上回る0.71

 県内自治体(県、43市町村)の発注工事に関する2020年度の地域平準化率が全体で0・71まで上昇したことが明らかになった。前年度から0・1ポイント増え、追い付いていなかった全国平均(0・69)を若干上回った状況。機関別では、県が年次的に改善している一方、市町村が乱高下しているのが気にかかる。最高値は伊佐市の0・99だった。 

 平準化率は、当該年度の月平均稼働件数に対する4〜6月の平均稼働件数をベースに算出。コリンズに登録された契約金額500万円以上の工事を対象とし、数値が「1」に近いほど平準化が図られていることになる。国土交通省が改正品確法を踏まえて設定した「新・全国統一指標」に基づいて集計し、各ブロックの発注者協議会でフォローアップしている。 
 今回明らかになった20年度の地域平準化率は、全国平均(都道府県、市区町村)の0・69に対し、本県平均(県、43市町村)は0・71とわずかに上回った格好。九州7県でも前年度のワーストから抜け出し、佐賀(0・76)、熊本(0・74)、大分(0・73)に次ぐ数値となった。 
 県内の各自治体をみると、県は前年度から0・15ポイント増え、0・83まで上昇。市町村では、伊佐市が0・99と最も高く、宇検村(0・89)や日置市(0・88)、曽於市(0・86)、奄美市(0・85)、南大隅町(0・81)−などが高い水準となった。前年度から改善したのは全体の半数に当たる22自治体で、ほか20自治体が下落した。 
 九州ブロック発注者協議会では、24年度までの目標値を0・8に設定し、各機関で早期発注や債務負担行為の活用のほか、適切な工期・余裕期間の設定、工期が複数年度にわたる工事等への適切な対応を図る方針だ。 

★記者の眼 
 温度差なき対応を 

 新・担い手三法で「発注者責務」として明文化された施工時期の平準化は、建設業の働き方改革を進める上で欠かせない取り組みの一つ。各機関が温度差なく対応してもらうためにも、こうした統一的な指標によるフォローアップは継続していく必要がある。 
 県内自治体の平準化率は、改善の兆しが見え始めたとはいえ、市町村の数字が乱高下している点が気掛かりな状況。今後は国土強靭化関連の事業に加え、地域によっては災害復旧工事の大幅増も見込まれる。各発注者の調整力が一層問われることになりそうだ。 
(田原謙一・常務取締役(兼)報道部長)


鹿児島建設新聞space鹿児島建設新聞FACEBOOK