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西日本建設新聞社
2022/02/24

【熊本】球磨川治水対策は4200億 国交省、流水型ダムにゲート設置

 国土交通省は、球磨川の今後の治水対策に要する概算事業費を約4200億円と試算した。このうち支流川辺川に建設予定の流水型ダムは2700億円(残事業費)で、放流設備に可動ゲートを設ける構造とする。17日、熊本城ホールで開かれた第3回球磨川水系学識者懇談会(委員長・小松利光九州大学名誉教授)で説明した。
 懇談会は、今後20〜30年間の具体的な治水対策を示す河川整備計画の策定にあたって、専門家からの意見を聴く場。今回は、整備計画に位置付ける整備メニューを国交省・熊本県が示した。
 国管理区間の整備計画メニュー案は、河道掘削(約480万立方b)、堤防整備(約8`)、宅地嵩上等、遊水地(約600万立方b)、橋梁改築(6橋)、市房ダム再開発、流水型ダムなど。流水型ダムは、現在の河川とほぼ同じ高さに「河床部放流設備」、その上部に洪水調節用の「常用洪水吐き」を設置し、それぞれゲートを設ける。平常時は貯留せずにそのまま下流へ流し、洪水時には水を貯めゲート操作で放流量を調整する考え。
 流水型ダムにかかる事業費は、これまで旧計画の川辺川ダム事業で約2200億円を投じており、ダム事業での総事業費は4900億円となる。流水型ダムを除く治水対策の事業費は1500億円。
 県は、管理する球磨川支川の整備メニューについて、▽中流圏域(河道整備、輪中堤・宅地嵩上)▽人吉圏域(河道整備)▽上流圏域(河道整備、流量低減対策)▽川辺川圏域(河道整備、輪中堤・宅地嵩上、流量低減対策)|を提案。主な4河川の目標流量案として、吉尾川毎秒330立方b、万江川1000立方b、川辺川下流(柳瀬)1500立方b、柳橋川200立方bを示した。
 委員からは、ダムに関する別委員会の資料提供や、県管理区間の箇所毎の具体的対策を示すよう意見・要望があった。
 国交省と県は今後、今回の意見等を踏まえて河川整備計画原案の作成に入る方針。

提供:西日本建設新聞社
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