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建設経済新聞社
2022/03/18

【京都】250万円以下の建設工事 入札結果を4月から公表

 福知山市は、これまで公表していなかった250万円以下の建設工事に係る入札結果について、4月から公表する。
 2月24日開催の令和3年度第2回入札制度改革等検討委員会(委員長・橋行雄弁護士)に報告した。
 福知山市では、「契約関係事務の適正化について(例規通達)」に基づき、京都府電子入札システムで入札を執行している250万円を超える工事及びコンサルについては、入札結果を府電子入札システムや福知山市のホームページ(市ホームページは独自様式)で公表している。
 一方、250万円以下の案件については、例規通達での記載や、紙による対面式の入札を実施していることもあり、入札結果を公表していない。
 令和3年4月から、新型コロナウイルス感染予防対策や入札の透明性を図るため、250万円以下の入札についても電子入札に移行し入札を執行。電子入札への移行により、入札予報を府電子入札システムや市ホームページに公表することとなったため、指名業者以外の業者や一般も閲覧ができるようになったが、入札結果は例規通達に基づき、これまで同様に公表していなかったため、入札結果の公表が課題となっていた。
 近隣市町村をみると、電子入札を実施している全ての案件について公表している。
 こうした状況を踏まえ、4月から、電子入札における入札結果について、全ての案件の入札結果を公表する。
 公表方法は、府電子入札システムに入札結果を公表するとともに、市ホームページへの公表については、京都府へのリンクを貼り付け、事務改善も図る。

入札制度改革検証の報告も

 入札制度改革等検討委では、入札制度改革の検証についても報告。[1落札率の変化]では「令和2年度の落札率については、前年度の令和元年度に比べて低く(91・27%→88・81%)なっている。これは平成30年の西日本豪雨や台風による災害復旧工事の件数が減り、工事の需給バランスが整い落ち着いたことと、通常工事の工事本数が増えたためと考えられる。引き続き、発注案件のバランスと落札率の動向に注意を払い、監視を続けていく」。
 [2最低制限価格と入札価格の乖離率]では「福知山市においては、常に最新の『工事請負契約に係る低入札価格調査基準中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル』に基づいた算定方式の見直しにより、最低制限価格を適切に設定している。その最低制限価格と落札価格がどれだけ離れているか乖離率を見ると、令和元年度に比べて乖離は低くなっている。これは落札率の変化と同じ理由が考えられる。最低制限乖離率が低く保たれているということは、業者の積算能力が上がり、競争的な環境であると考えられる」。
 [3入札参加業者数の変化]では「入札参加業者数の変化について、令和2年度は、災害復旧工事の発注も落ち着き、工事の需給バランスが整い、通常工事の工事本数が増えたことにより、入札参加者数が増加した」※入札参加者数は指名業者数から辞退者数を引いた数。
 [4工事成績評定点の変化]では「工事成績評定点は、土木一式・建築一式の格付における主観点の項目だが、高い評定点を取るには、品質の高い施工管理が求められるため、良質なインフラ整備につながるとともに、企業が技術力を高めることへの要素となっている。過去5ヵ年の成績評定点の平均点を見ると、土木一式については多少の増減はあるがほぼ横ばいであるため、企業の施工管理等の技術力は一定に保たれていると考えられる。しかし、建築一式については、発注件数の減少とともに平均点も下降傾向となっている。今後については、地元企業の育成及び技術力向上に向けて、指導等を継続し、さらなる強化を図る必要がある」。
 [5予定価格の事後公表の試行結果]では「事後公表については、令和2年度において10件試行した。落札率は令和元年度に比べ低くなっているが、本数が昨年度は7件であり、令和2年度は10件となり全体本数の関係で低くなったと考えられる。最低制限価格乖離率は事前公表・事後公表案件ともに昨年度より低下している。最低制限価格未満の失格者は事後公表においては多くなっているが、公契連の計算モデルを採用し厳格な最低制限価格設定を行っているため、ダンピングの防止については効果が発揮されていると考えられる。最低制限価格未満の失格者数は増加したものの、市内業者の積算能力は引き続き高い水準を保っていると考えられる」。
 最後に[6考察]として「入札制度改革(土木一式・建築一式・電気ほか)について約6年間実施してきたが、この間、災害復旧工事が多数発注されたことにより、工事の需給バランスが崩れ、特に土木一式工事において、落札率が大きくなっていた。それ以外の工事については、年度によって増減はあるものの、特に大きな変化はないことから、災害復旧工事が落ち着いた令和2年度は通常の状態に戻るという結果になった。今後も、入札結果を分析、検証することにより、入札の動きを監視し、福知山市公契約大綱の基本方針を踏まえ、より公正性・公平性・透明性・競争性のある入札契約制度を目指し、検証を行いながら、改革を継続していく」とした。