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建通新聞社(中部)
2022/03/25

【岐阜】旧岐阜県庁舎の利活用は? 具体化に向けて検討へ

 岐阜県は、岐阜市司町にある歴史的価値が高い「旧岐阜県庁舎」の利活用について検討を進めている。2023年度は、新しい県庁舎の整備事業が一段落するため、利活用方法についてより具体化した検討を進めるなど、引き続き準備していく方針を明らかにした。1924年に完成した旧岐阜県庁舎
 旧岐阜県庁舎は、1924年に完成し90年以上が経過。66年までは「岐阜県庁舎」として、その後は「岐阜総合庁舎」として使用していた。2013年3月31日は、耐震性の問題で閉庁。保存状態の良い南側部分を保存し、残りは解体した。現存する鉄筋コンクリート造の県庁舎としては最初期の建物で、モダニズムとアールデコを取り入れた外観が特徴。施設内には、重厚な正面玄関や玄関上部にあるステンドグラス、常滑産のモザイクタイルを使った階段ホールが今もある。さらには、玄関ホールなどの部材に使われている大理石に二枚貝の化石が見える形で残っており学術的に価値が高い。
 県では、同施設の在り方について他自治体の利活用事例を収集、専門家からの意見聴取、岐阜市と意見交換・情報共有などを行っていた。今までに出ているアイデアには、資料展示や部屋の貸し出し、宿泊施設やレストランへの改修、歴史的価値のある施設の評価、民間活力を導入する可能性の調査など多岐にわたっている。
 試算では、耐震性確保とバリアフリー化などの最低限の改修を行った場合でも、最低約20億円が必要と見込まれている。加えて、活用策に応じた改修をする場合、財政負担がさらに増えることになる。古田肇知事はこういった事情を踏まえ「内容や意義、効果、コストなどまだまだ検討する」とし、「岐阜市や専門家、関心のある民間事業者、地元の声なども聞く必要がある。新庁舎の整備事業が一段落する23年度にさらに議論を進められるよう準備していく」と22年第1回議会で答弁した。

提供:建通新聞社