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建設経済新聞社
2022/03/31

【京都】流域下水道事業経営審に進捗報告 山城中継ポンプ場耐水化も

 京都府は29日、流域下水道事業経営審議会(会長・田中宏明京都大学名誉教授)を開催し、主要事業の進捗状況及び課題等について報告した。
 経営審では、部会の設置について、今後の施設整備の進め方等について議論する投資部会、投資・財政計画の見直しについて議論する財政分会に加え、新たに流域下水道事業に関わる雨天時浸入水対策や水質改善等の技術的課題の調査・検討を行うため、調査部会を新設することを承認した。
 令和2年度策定の経営戦略では令和3〜12年度の10年間に約820億円(年概ね82億円)を投資する計画で、令和3年度は78億3300万円を執行、4年度は80億7800万円を執行する予定。
 いろは呑龍トンネルの進捗では、南幹線と呑龍ポンプ場がこのほど供用開始したことのほか、今後は公共下水道接続施設4ヵ所と調整池を予定していることを報告した。
 木津川流域における施設増設(洛南浄化センター)について、新名神高速道路の整備や学研都市の開発の進展により、流入水量が年率約2%で推移すると予測。当面は開発に伴う水量増加が続いていくと想定し、増設工事を進める水処理施設E1系の完成後に、E2系増設に着手することが必要とした。経営戦略ではE2系増設は令和5〜9年度を予定している。
 改築更新の実施状況によると、令和3年度は事業費23億5600万円の予定だったが、実績は20億6900万円。
 ストックマネジメント計画に基づく進捗を報告。桂川右岸流域の洛西浄化センターで中央監視制御設備を更新した。
 主要課題の課題として、○雨水対策(いろは呑龍トンネル)…全体完成に向け、一部接続施設の用地取得が未了○木津川流域下水道における汚水処理施設増設…処理能力を補完する傾斜版の効果検証が必要○改築更新・耐震化・耐水化…計画で想定していない突発的な事象や老朽化の進捗状況にも適切に対応し、計画を見直しながら改築更新等を行っていくことが必要−を挙げた。
 委員から耐水化について質問があり、府側は「過去の浸水履歴や浸水予測から、既に洛南浄化センターにおいて、浸水予想区域に入っている所については、一部耐水化の取組を行っており、耐水扉の設置等の対応を行っている」「浸水予想区域に入っている木津川流域下水道の山城中継ポンプ場について、実施設計に取り組んでいる。実施設計を踏まえて早期に耐水化の取組を促進していきたい」と報告した。
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 なお京都府流域下水道事務所は、山城中継ポンプ場実施設計(耐水化計画策定)を3月18日に開札し、内外エンジニアリングが落札した。業務概要は@基礎調査A対象外力の設定B対策浸水深の設定C被害想定D対策手法の立案(短期、中期)E実施計画の策定。業務工期は300日間。