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西日本建設新聞社
2022/04/01

【熊本】球磨川整備計画案概ね了承 流水型ダムは35年度完成へ

 球磨川水系学識者懇談会(委員長・小松利光九州大学名誉教授)の4回目の会合が3月28日、熊本城ホールであり、国土交通省と熊本県がまとめた球磨川水系河川整備計画の原案を概ね了承した。国交省は、川辺川に建設する流水型ダムのロードマップを示し、2035年度の完成を予定しているとした。近く原案を公表し、パブコメと公聴会で広く意見聴取する予定だ。
 原案によると、国管理区間では、下流部、中流部、人吉区間、上流部に分けて、整備メニューを提示。中流部と上流部で河道掘削、下流部と上流部で堤防整備・引堤、中流部で輪中堤・宅地嵩上を実施する。洪水調節施設としては、球磨川で遊水地と市房ダム再開発、川辺川で遊水地と流水型ダムを整備する。河川整備に伴い、球磨川第1橋梁、第2球磨川橋梁(いずれもJR)、相良橋、西瀬橋、大王橋、鵜木橋の改築が必要となる。
 県管理区間は、中流圏域(20河川)、人吉圏域(14河川)、川辺川圏域(15河川)、上流圏域(31河川)に分け、掘削・拡幅・築堤等を整備する13河川と、輪中堤・宅地嵩上げを施行する場所(河川名、区間)を盛り込んだ。五木村と相良村の振興策を国・県が連携して取り組むことも、原案に記された。
 流水型ダムは、27年度着工、35年度の完成を目指す方針。5カ年で調査・設計や関係者との調整を進め、27年度から約4年間でダム基礎掘削、5年間で本体打設を進める。概略設計に基づき設定しており、今後も工期短縮に努めるとした。球磨川流域で河川防災ステーションの設置を検討する考えも明らかにした。
 小松委員長は、私見とした上で、流水型ダムについて「流域の安全安心のため、できるだけ前倒ししてほしい」と意見した。

提供:西日本建設新聞社
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