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日本工業経済新聞社(群馬)
2022/04/05

【群馬】県畜産課 B牛舎公告は4月下旬 6月までに電気と機械発注 浅間牧場の草地・施設整備

県畜産課は浅間牧場(長野原町北軽井沢2032−23)の農業競争力強化に向けた農地整備事業を進めており、早ければ4月下旬に集中管理牛舎(B牛舎)の建築工事を一般競争入札で公告する。また、草地整備改良工事も4月中の発注に向け調整を進めるなど、第1四半期に複数の整備発注が集中する見込みとなる。2022年度は21年度の12月補正予算1億400万円と2月補正予算1億円、22年度当初予算5億5740万円の合計6億7140万円をの事業費に充て整備を進める。老朽化した施設を改良することで、生産性の高い飼料基盤を確保するとともに、安定した自給飼料生産により酪農経営のコスト低減を図る。加えて、畜産経営規模の拡大を推進し、県内の酪農の競争力強化を促していく。
浅間牧場の整備は、800ha程度の敷地内5カ所に点在している牛舎をA牛舎とB牛舎の2棟に集約。A牛舎(S造、延べ床面積3000u)の新築は、渡辺建設(嬬恋村)の担当で現在工事を進めている。同規模となるB牛舎の工事発注は建築、電気、機械設備の3分離。建築の工事発注は一般競争入札で4月下旬から5月上旬、電気および機械設備は5月下旬から6月上旬ごろに工事発注を見込んでいる。発注方式は未定。施設規模はA牛舎と同等を想定している。
90・8ha程度の規模で進めている草地整備改良は、これまでに15・8haの整備を完了。22年度は37・4haの整備工事を早ければ4月中に発注したい考え。
また、施設用地造成工事として作業道整備と法面保護も計画。作業道は周回道路として整備を進めているもので、これまでに約200mの道路工事を吾妻水質管理センター(中之条町)が担当している。22年度は約350mの延長で上層路盤工を行い、完成する。A牛舎の飼料運搬などで通行する箇所はアスファルト舗装工を施す。
法面工事はAおよびB牛舎周辺で行われた切り土部分の崩落防止を行うもの。工事は施設用地造成整備として、早ければ4月中に一括で発注する見込み。
さらに、飼料調製・給餌用機械としてTMRミキサー1台の導入を計画。早ければ5月下旬から6月下旬に発注する。
浅間牧場は浅間山の標高約1300mに位置する総面積約800haの乳用牛育成牧場。1883年に馬の放牧場として開設された。酪農近代化の一環として戦後に乳用牛の育成に向けて整備を進め、現在では春から夏の多い時期で約470頭、冬は約330頭の牛を県内の酪農家から預かり育成している。県内酪農家が乳用育成牛を預託することで、省力化や生産コストの低減が図れるほか、家畜市場からの後継牛購入と比較し安価に自家産の後継牛確保が行える。
事業開始となる19年度からこれまでにA牛舎や飼料調整庫、一部草地整備改良などの整備に着手。3月には4級基準点測量N7点と4級水準測量1・6qを発注している。建築物については、飼料調製庫(S造、延べ床面積225u)、環境保全施設(W造、同9・56u)、獣害防止柵約9100m、防護柵約3300mを完了させている。
23年度には、堆肥舎(S造、延べ床面積1600u)と病畜舎(S造、同152u)の新築工事を予定している。また、全ての施設整備が終了した後に、畜舎の周りに電気柵を設置する。事業完了年度は24年度を予定。総事業費は23年度までに25億2200万円を想定している。
工事に係わる設計は、建築物を小島設計(沼田市)が担当し、草地などの測量や基本設計および国庫補助申請に向けた資料作成などを藤和航測(前橋市)がまとめた。