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建通新聞社(神奈川)
2022/04/06

【神奈川】横浜市 失格基準引き上げ、再度入札制度も

 横浜市は2022年度の公共工事の入札・契約の見直しで、4月5日以降の公告案件から低入札価格調査の失格基準を引き上げた。また、不調となった入札については予定価格を超過した入札者を対象に再度入札を行うこととし、7月ごろの公告案件から実施する。この他建設業退職金共済制度の事務取扱で、電子申請方式による掛け金納付方法を追加した。
 横浜市で低入札価格調査制度を適用するのはWTO対象案件と総合評価落札方式の標準型と簡易型で、これまでの入札結果を見ると、WTO対象案件など大型工事では失格基準付近での入札が多く、落札率が低くなる傾向にある。
 失格基準を引き上げることで、建設事業者の健全な経営環境や工事の品質を確保し、必要な経費が適正に反映された金額で契約を締結することを狙う。
 これまでの失格基準は(直接工事費×0・87+共通仮設費×0・78)未満と(現場管理費×0・78+一般管理費×0・47)未満としていた。
 これを(直接工事費×0・91+共通仮設費×0・81)未満と(現場管理費×0・81+一般管理費×0・50)未満に変更。直接工事費+共通仮設費または現場管理費+一般管理費のいずれかが算出式の金額未満の場合は、落札者としない。
 なお、特別簡易型の失格基準は従来通りで、変更はない。

〜再度入札の導入〜

 一方、横浜市の入札システムは入札回数が1回のみで、予定価格の範囲内に入札者がいなかった場合は直ちに入札不調となる。その後は入札を再度公告し手続きをやり直しているため、入札参加者の負担が増え、事業が遅延する原因にもなっている。
 そこで、不調の場合は予定価格を超過した入札者を対象に再度入札を行うこととし、7月ごろ公告する案件から実施する。現在電子入札システムの改修を進めており、対象工事は入札公告時に通知する。
 建設業退職金共済制度に関する見直しでは、従来の証紙貼付方式に加え電子申請方式による掛け金納付方式を追加することになったことなどを受け、市でも事務取扱を変更した。
 証紙貼付方式では契約時に「掛金収納書提出用台紙(様式第033号)」を、電子申請方式では「掛金収納書(電子申請方式)」を追加。工事完了時には、証紙貼付方式は「建設業退職金共済制度掛金充当実績総括表(様式第031号)」を、電子申請方式は「建設業退職金共済制度掛金充当実績総括表(様式第031号)」と「掛金充当書(工事別)」を追加する。4月1日以降の契約案件から実施する。

〜電子契約の導入も〜

 市では24年度から新たな財務会計システムを稼働するため、21年度からシステムの設計や開発など環境整備を進めている。工事契約書の電子化についても、24年度での運用開始を目指す。
 契約書や検査調書などを電子化することで、文書作成業務を効率化する。 提供:建通新聞社