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北陸工業新聞社
2022/04/19

【石川】玉川から世界に羽ばたく/中央小、こども図書館が竣工/金沢市/優れた教育環境と読書活動拠点/木の文化存分に

 金沢市が玉川町の旧玉川こども図書館跡地に整備した中央小学校、玉川こども図書館・公文書館の竣工式が17日、現地で行われた。村山卓市長はこども図書館の開館セレモニーで、「読書を通じて、玉川の地から世界に羽ばたいてほしい」と未来を担う子どもたちの健やかな成長を願った。
 竣工式には事業関係者をはじめ、同校の児童らあわせて約170人が出席。村山市長は「新しい校舎や図書館で子どもたちが豊かな人間性や個性を育み、明日を切り拓くための強い心と力を培ってほしい」と式辞を述べ、来賓の小森卓郎衆院議員、高岩勝人市議会議長が祝辞を贈った。
 その後、施工者を代表して豊蔵組の豊蔵亨一取締役社長に村山市長から感謝状が贈呈。6年生が感謝の気持ちを伝えた。校舎前では記念の植樹も行われ、出席者は優れた教育環境と新たな読書活動拠点の誕生を喜んだ。
 中央小の校舎はSRC一部RC、S造地上4階地下1階建て延べ7131・90平方メートル。多様な学習形態に対応できる多目的スペースやICTを活用しやすい学習室を配置。内装には地元産材をふんだんに活用し、「木の文化都市」の趣向を存分に取り入れた。建物の高さを抑えるため体育館を半地下化した。
 こども図書館はS一部RC造地上3階地下1階建て延べ3187平方メートル(うち公文書館409平方メートル)。敷地内に生息していた樹木を天井ルーバーや総合案内板などに活用。旧施設にあった十代大樋長左衛門(現・陶冶斉)氏の陶壁を、息子の十一代大樋長左衛門氏が36カ国の「世界はひとつ」の言葉とともに入口近くの壁面に再構成した。
 2020年6月に着工し、施設は先月末に完成。建設工事費は中央小が約29億5000万円、こども図書館が約26億円。今後、グラウンドや遊歩道などの整備を進め、8月の全体完成を目指す。
 こども図書館のセレモニーでは、村山市長らが記念のテープカットを行った後、オープン。開館を待ちわびた大勢の親子連れらが詰め掛け、読み聞かせや木製遊具などを楽しんだ。
 基本・実施設計は五井建築研究所(建築)、五洋設備事務所(設備)、建築工事は豊蔵組・宏州建設・高田建設JV(校舎・こども図書館地下駐車場)、兼六建設・岡組・高田組JV(こども図書館・公文書館)、トーケン・本田工務店・北陸工建(体育館)が担当した。

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