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建通新聞社四国
2022/04/22

【香川】高松市 大書院の耐震設計を文建協と随契へ

 高松市は、玉藻公園内の重要文化財「披雲閣(旧松平家高松別邸)大書院」の耐震補強に向けた実施設計業務を、耐震診断を担当した文化財建造物保存技術協会(東京都荒川区)に随意契約で第2四半期に委託する。設計期間は約8カ月。この成果を基に2023年度当初予算案に工事費を要望する見通し。
 大書院の規模は木造軸組平屋427平方bで、基礎は礎石と土台、屋根は桟瓦、小屋組みはトラス。屋根裏と床下に補強材となる鉄骨フレームを二列以上設置し、内観と外観の意匠に影響しないよう、普段使用していない物置スペースや天井裏、床下に目立たないように配置する。
 また、鉄骨の柱脚は、浮き上がりを防止する基礎とする。遺構がある地表面を掘削して基礎を設置することができないため、基礎となる鉄筋コンクリートが鉄骨の基礎部分を巻く格好にして基礎梁を床下に設置する計画。
 工期に2カ年を要する見通しだが、当初計画で策定した大書院の23年10月〜26年9月とするのかどうか、今回の実施設計を基に調整して決める。大書院の次に施工する槇の間の工期は28年10月〜30年3月としている。
 1917年に建築された国の重要文化財である披雲閣は、20〜21年度に蘇鉄の間の耐震補強を済ませた。建物内部は蘇鉄の間の他、大書院、槙の間、波の間、管理事務所などで構成し、総建築面積は1916平方b。耐震補強工事の進捗確認などは専門家会議「史跡高松城跡整備会議建造物整備部会」で不定期に協議している。
提供:建通新聞社