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建通新聞社(神奈川)
2022/04/27

【神奈川】横須賀市 港湾計画の概算事業費532億円

 横須賀市は、概算事業費約532億円を盛り込んだ「横須賀港港湾計画改訂案」をまとめた。対象期間は2022年度からおおむね15年間。岸壁整備など物流に関する費用は約491億円で、このうち約378億円を新港地区への新たなふ頭整備に、約62億円を久里浜地区のふ頭再編に、約49億円を長浦地区のふ頭再編に投じる計画だ。
 新港地区に整備する新たなふ頭の面積は約20f。整備場所は新港ふ頭の南東側で、ノジマモールやうみかぜ公園の北東側。環境調査に向けた調査・検討と整備計画地区の深浅測量を22年度に進める。23年度に土質調査と環境調査を実施し、24年度に基本設計と公有水面埋め立て免許願書を作成。25年度には実施設計をまとめ、ふ頭の埋め立て工事や岸壁の整備工事に着手する。工事は2期に分けて進める計画。各期4〜5年で完成を目指す。埋め立て土量は約280万立方bを見込む。
 新たなふ頭は、矩形(四角形)に整備する計画。25年度に着手する計画の1期工事では、4〜5年の工期で新港ふ頭側の約10fの埋め立て工事や岸壁整備工事を実施する予定。マイナス12bの岸壁を整備し、大型船を受け入れる体制を整える。1期工事が完了後、4〜5年かけて残り10fの2期工事を進める。
 船の大型化傾向や、横須賀〜九州(新門司)を結ぶフェリーの運航開始に伴い集中する新港地区での船舶の利用に対応する他、利用者の利便性や安全性を踏まえ、新ふ頭を整備することとした。
 久里浜地区のふ頭再編では、バルク物流機能の移転・集約に向け、埋め立てにより用地を2・4f拡張し再編を進める。
 長浦地区のふ頭再編では、首都圏で横須賀港だけで扱っている特殊なゴム製品やバイオマス燃料の受け入れを考慮した係留施設、保管施設を整備する必要があると考えている。
 約9億円を港湾緑地整備、約22億円を海岸高潮・浸食対策、約10億円を小型船だまりの整備に充てる。
 同案は、「物流・産業」「交流・環境」「安全・安心」の分野で現状と課題を捉え対策を提示。「物流・産業」分野では、18年時点の貨物量1028万6000dが28〜37年には2055万6000dに倍増すると試算しており、ふ頭の新設・集約・再編に取り組む方針を示している。
 「交流・産業」分野では、新港地区に(仮称)新港みなと緑地1・2fの新規整備計画を盛り込んだ。一方で、長浦、大津、久里浜の緑地整備計画を削除する計画だ。「安全・安心」分野では、不足する耐震強化岸壁について、これまで計画されていた長浦地区を対象に、通常時の利用を踏まえた配置に見直して計画する。
 市は、同改訂案に対するパブリック・コメントを5月10日まで実施し、市民の意見を求める。 提供:建通新聞社