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建設経済新聞社
2022/05/06

【京都】京都府立大学整備構想とりまとめ 令和7〜8年にT期、10〜11年にU期工事

 京都府立大学はこのほど、京都府立大学整備構想を明らかにした。
 施設整備方針としては、(1)まちとつながり、地域に開かれたキャンパス(○地域に開かれた「地域・連携ゾーン」をキャンパスの中心に配置○東西プロムナードと南北プロムナードを配置し、キャンパス内及び北山エリア全体の回遊性を高める(2)光と緑に包まれ、周辺環境と調和するキャンパス(○開かれた広場や建物に囲まれた中庭など、学生や教職員などが快適に過ごせる光と緑が溢れるオープンスペースをキャンパス内に計画○自然の光や風を取込むことが出来る講義室やラウンジを配置し、北山エリアの豊かな自然環境が感じられる空間を創出○近隣への圧迫感軽減やプライバシー保護のための建物セットバック配置や講義室の窓配置など、周辺環境との調和を図る施設計画○デザインコード・色彩・素材による統一感、単調になりすぎないデザインを採用)(3)機能性に優れた、誰もが使いやすいキャンパス(○既設校舎(1号館)や新設校舎を連結させフレキシブルで、誰もが使いやすいキャンパスを実現○持続可能なキャンパス計画のため、まとまりのあるオープンな空間を確保〇共同体育館との関係で、課外活動等学生厚生施設の移転・整備が必要となった場合には学生会館を整備し、学生の福利厚生にも資する施設を集約化)−を設定した。
 学部学科再編に対応した施設整備については、@情報系学部設置に伴う新機能(AIデータサイエンス教育研究センターと共同で使用するコンピュータ関連施設を整備)A文学部の改革に伴う新機能(文化庁との連携など文化の力で新たな価値を創造・発信していくため、文化庁・きょうとMALUI連携センター(仮称)を設置)B公共政策学部の改革に伴う新機能(共生社会の構築を実現していくために、「きたやま育ちのひろば・共生ラボ」のスペースの設置を検討)Cその他の再編に伴う新機能(「大型実験機器センター」や、京の防災防疫安全安心研究センターなど新設された全学センターの活動を支えるスペースを確保)を挙げた。
 また、新たに設置される農学食科学部については、和食文化科学科を除いて精華キャンパスに移転を検討。これに伴い、下鴨に設置されている暫定農場についても必要な施設・機能を全て精華キャンパスに移転を検討。
 教育・研究環境の充実として、次世代通信ネットワークに対応した施設の整備(スマートキャンパス化)、Withコロナ等危機管理に対応できる施設の整備を進める。産業界との連携、地域との連携も進める。
 北山エリア整備基本計画に基づくエリアコンセプト『憩いの緑と躍動するまちが融合した「文化創造の森」の創出〜豊かな自然の中で創造される文化・芸術・学術・スポーツに身近に出会い、交流するまち 京都北山〜』との整合も図る。
 老朽化・耐震化への早期対応では、最新の教育研究に対応するとともに、安心・安全な施設とするためにも、現行プロムナード以南の施設は1号館を除き全て建替えることとし、全体工期の短縮とスムーズな移転を考え、U期工事で完成できるよう検討する。
 下鴨キャンパスの整備は、▽情報系学部設置に伴う新機能(AIデータサイエンス教育研究センター等620u)▽文化庁・きょうとMALUI連携センター(仮称)(240u)▽「きたやま育ちのひろば・共生ラボ」は地域連携棟セミナー室等の面積と共用▽理系学部横断組織としての大型実験機器センター(300u)▽京都府職員研修・研究支援センターを地域連携棟内に取り込み、スペースの共用化を図るとともに、センター敷地を大学キャンパスとして活用(1160u)▽全学センターに職員を配置し、事務スペースを確保(6センター×45u、産学公連携リエゾンオフィス60u)▽公立大学平均水準規模の確保▽Withコロナ等危機管理に対応できる施設の整備(講義室スペースは1・36倍程度、実験スペースは1・15倍程度必要)▽ラーニングコモンズ、PBL等多目的会議室の設置▽附属図書館機能の拡充▽共同研究など産学連携を支えるリエゾンオフィスやオープンラボ等の設置でオープンラボ(下鴨300u(60u×5室)▽共同体育館の整備▽共同体育館整備に伴う移転想定施設等。
 全体の整備規模としては、Withコロナを念頭とした拡張等も考慮し、共用面積及び建物移転等を除いた必要面積として2万9666u(下鴨キャンパス2万3282u、精華キャンパス6384u)とした。
 整備にあたっては、4号館跡地、駐車場、現テニスコートなど、整備開始時にオープンスペースとなっている場所をT期工事対象とする。建物は4階建てを基本とし、限定されたキャンパス内スペースを有効活用する。南側・東側の住宅地との隣接箇所は、視線干渉や圧迫感を軽減し、開かれた大学をイメージできるよう建物のセットバックや分棟配置、オープンスペースの確保などの仕組みを工夫する。
 地域連携棟に整備する機能及び面積は合計4187uをT期で整備する(公共政策学部諸室約2067u、全学センター施設等約255u、全学関連施設約705u、研修・研究支援センター機能約1160u)。
 レイアウト案については、B案(南側校舎をロの字に配置し、片廊下及び「吹き抜け+トップライト」の併用により採光を確保等)、C案(南側、東側住宅街に対して壁面積を減らし、地域への開放的空間を創出。南向きのコの字配置により、開かれた中庭を計画等)を示した。
 B案は、T期工事で延約1万9250u(建築面積約5300u)、U期工事で延約1万5900u(建築面積約4000u)の合計約3万5150uを見込む。地域連携棟想定部分は延約6300uを見込む。
 C案は、T期工事で延約2万0900u(建築面積約5600u)、U期工事で延約1万4100u(建築面積約3600u)の合計約3万5000uを見込む。地域連携棟想定部分は延約6300uを見込む。
 整備スケジュールによると、令和4年度に基本計画策定、5年度に基本設計(全体)を進め、6年度に実施設計(下鴨T期、精華)を行う。
 下鴨キャンパスのB案では令和5〜6年にプレハブ棟、倉庫、国際交流施設撤去、7〜8年に(T期工事)新4号館、新本館、新地域連携棟新設、9年に2・3・7号館・桂会館等撤去、10〜11年に(U期工事)新2・3・5号館新設、12年に5・6号館、本館撤去及び外構工事・完成を予定。
 C案では令和5〜6年にプレハブ棟、倉庫、国際交流施設撤去、7〜8年に(T期工事)新4号館、新本館、新地域連携棟新設、9年に2・3号館・桂会館等撤去、10〜11年に(U期工事)新2・3・5号館新設、12年に5・6・7号館、本館撤去及び外構工事・完成を予定。
 このほか、13年度に学生会館等の実施設計、14年度に学生会館等の建築工事を予定。
 一方、精華キャンパスの整備は、学研都市キャンパス(仮称)としての施設整備を検討。新学舎の必要想定面積は6384u(共有面積を除く)を見込む。
 圃場及びガラス温室は下鴨からの移転面積について検討する。動物実験棟等の実験施設の必要想定面積は876uを見込む。
 学研都市南田辺・狛田地区では、今後、概ね5〜6年以内にフードテックをテーマとする研究開発型の企業誘致が進む見込みで、周辺地域の開発計画を踏まえ、その中での中核施設となるべく、整備内容を検討する必要があるとしている。
 精華キャンパスの整備スケジュールによると、令和5年度に造成設計、6年度に造成工事を行い、7〜8年度にかけて研究棟等を整備する予定。