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建設新聞社
2022/05/25

【東北・青森】エプソンアトミックスが八戸市に資源再生工場

 セイコーエプソンのグループ会社・エプソンアトミックス(青森県八戸市河原木海岸4の44 大塚勇社長)は、不要となった金属を金属粉末製品の原料として再生する新工場の新築を計画しているが、青森県八戸市の八戸北インター工業団地に整備する方針であることが明らかになった。
 八戸市が同団地の約2万9000平方bを同社に売却する予定であることを公表した。すでに仮契約を済ませており、6月定例市議会での可決後に本契約する予定。
 同社は、微細合金粉末製造で世界シェア1位を誇り、スマートフォンなどの高機能モバイル機器や自動車、医療機器などの市場拡大に対応するため、2013年10月に青森県八戸市に北インター事業所を開設。その後、市場需要拡大へ対応するため、微細合金粉末(アモルファス合金粉末を除く)工場を建設するなど運営に当たっている。
 今回の計画は、磁性粉末製品がスマートフォンやハイブリッドカー・電気自動車向けのコイルとして電源回路に使用されており、さらなる需要増が見込まれている一方で、エプソングループが「環境ビジョン2050」に基づき、50年に「地下資源ゼロ」の達成を目指すとともに、アトミックスでも需要増加に対応していく上で地下資源減少や金属原料の価格高騰などによる入手リスクが考えられることから、金属の資源循環を実現するため金属再生工場を整備する。
 計画では、建物・生産設備などに数十億円規模の投資を行い、不要となった金属を金属粉末製品の原料として再生する工場を新たに建設。金属を溶解する誘導炉、金属の不純物を取り除く精錬設備、インゴット(塊)に固める鋳銑機などを導入する。これにより、同社工場内で規格外となった金属粉末製品や工場内から排出される金属くず、同社内外で排出する金属端材や使用済み金型など不要となった金属を金属粉末製品の原料として再資源化する。
 25年度を見込んでいる稼働開始から3年で必要な金属原料の約4分の1を再生金属原料に置き換え、地下資源の消費抑制に貢献したいとしている。

 提供:建設新聞社