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建通新聞社(静岡)
2022/06/02

【静岡】価格変動 取引に反映を 県が業界に要請

 静岡県は、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を適切に元請け・下請け間の契約に反映するよう、静岡県建設業協会、静岡県建設産業団体連合会、静岡県建設事業協同組合連合会(いずれも石井源一会長)の3団体に要請した。ロシアのウクライナ侵攻などが引き起こしている物価上昇を踏まえた措置。合わせて、県発注工事では、受注者からの申し出があれば、発注後もスライド条項を適切に運用して価格変動に対応すると改めて周知した。
 交通基盤部長名の通知を3団体に送付した。4月には国土交通省が同様の趣旨で全国の建設業団体などに通知しており、県としても適正な請負代金の設定と適正な工期の確保を業界に求めた。県が各団体にこうした通知を送付するのは珍しいケースだという。
 国交省が行った調査では、物価変動に基づく契約変更条項がない元請け・下請け契約は全体の10%、物価変動に伴う契約変更を拒否された事例が全体の14%で確認されたという。同省によると、建設工事の注文者(元請け、上位下請け)が受注者側からの協議に応じず、原価を下回る金額で契約を結ぶと、建設業法に違反する恐れがあるという。
 県も、2021年に制定した公契約条例で、適正な見積もりを基に対等な立場で契約を結ぶよう求めている。通知では、下請けとの請負契約に限らず、資材業者、建機リース、警備業者、運送業者との契約にも、同様の配慮を求めた。
 一方、県発注工事について通知では、毎月発行される物価資料の価格、県の調査価格を採用して市況を的確に反映していると強調。燃料油など、今後の資材価格の動向にも注視しているとした。さらに、契約後の急激な価格変動に対しては、スライド条項を運用し、適切に対応するとしている。