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建通新聞社(中部)
2022/06/08

【愛知】名古屋市 用地25年度目標 名鉄本線橋梁改築

 名古屋市緑政土木局は、名鉄名古屋本線と山崎川との交差部に架かる名鉄橋梁の改築で、本年度から用地取得を本格化させる。2025年度を目標に用地取得を進める計画だ。住宅都市局が検討を進める、名鉄名古屋本線(桜駅〜本星崎駅間)連続立体交差事業は、桜神明社古墳の保存方法の調整・協議を行っているため、都市計画・環境アセスメントの手続きが当初想定より遅れている。調整が済み次第、都市計画案・環境影響準備書の説明会を実施する見込みだ。
 名鉄名古屋本線の山崎川〜天白川の区間は、山崎川渡河区間を河川事業(特定構造物改築事業)、桜駅〜本星崎駅間は連続立体交差事業で事業を進める計画。
 山崎川渡河区間は、妙音通との交差部南側から呼続駅の南側にある桜6号踏切までの延長約0・8`。区間内は、妙音通南側の高架区間に続き盛土区間があり、山崎川北側から呼続駅を挟み平針名古屋港線交差部の南側までが高架化区間、その後は盛土区間で計画する。仮線方式で、仮線は西側に設ける。
 構造物の検討は、20年度から名古屋鉄道に委託して実施。昨年度までに基本設計をおおむね完了し、本年度からは詳細設計が本格化するようだ。用地取得は、21年度に物件調査を実施。本年度から用地取得を本格化させる。25年度を目標に用地取得を進め、工事着手を目指す計画。
 桜駅〜本星崎駅間は、桜6号踏切〜天白川までの延長約3・9`を連続立体交差事業で進める。第1期事業として本星崎駅前後区間を先行させ、第2期事業で桜・本笠寺駅前後区間を高架化させる計画。現在、都市計画案と環境影響評価準備書の取りまとめに向けた準備を進めている段階にある。
 桜神明社は、桜駅南西側の名鉄名古屋本線の隣接部にある。同古墳は、推定直径約42b、埴輪(はにわ)などの出土物から5世紀前半ごろ築造されたと推定されている。市文化財保護条例が制定される前に運用していた文化財要綱(1970年まで運用)では、同古墳は市指定文化財だったが、条例制定後は文化財登録がなされていない状態になっている。市担当者によると、登録を促す文書は残っているものの、登録がなされなかった理由を示す文書が残っていないため、詳細な経緯は不明だという。同局は、今後の文化財登録の可否とは別に、少なくとも周知の埋蔵文化財として同古墳を保存する方針。古墳を保存しつつ、工事を進める方法について、名古屋鉄道で検討・協議が進められている。
 都市計画案・環境影響評価準備書の説明会は、21年度内の実施を目標としてきたが、新型コロナ感染拡大の影響による現地調査の遅れや、桜神明社古墳の保存方法などの検討・協議に時間を要したため、現時点では説明会の実施時期はまだ決まっていないという。保存工法の検討・協議がまとまると、環境影響に関する予測・評価も定まるため、説明会のスケジュール、その後の都市計画審議会に諮る日程、さらに事業認可の目標時期も明確化してきそうだ。


提供:建通新聞社