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日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/09

【群馬】前橋市の最終処分場整備、23年度に基本設計へ

前橋市の新最終処分場整備について、基本計画の内容が明らかになってきた。処分場の形式はオープン型。遮水構造は二重の遮水シートとベントナイト層、コンクリートによる多重構造を予定している。これから20年度から3カ年で進めている基本計画の策定作業を終え、年度内に公表する予定。順調に進めば、23〜25年度に基本設計および生活環境影響調査、26〜27年度に実施設計をまとめ、発注仕様書を作成する。28年度に着工し、31年度に完了。32年度の供用開始を目指す。基本構想では、概算建設費を40億9300万円としている。
既存の最終処分場が32年度に残余容量がゼロになる予測となっているため、新たな施設の建設を計画した。新最終処分場の建設地は公募により、小坂子地内の芳賀地区に決定。19年度に基本構想を策定、20年度からの3カ年で基本計画の策定作業に取り組んでいる。21年度に現地の測量および地質調査も委託している。業務は基本計画が八千代エンジニヤリング(東京都台東区)、測量等は地測設計(前橋市)が担当している。年度内に策定作業を終え、年度の後半に公表する予定となっている。
策定作業中の基本計画案によると、最終処分場の形式をオープン型処分場となる。施設への搬入台数は、六供清掃工場から10tダンプ4台/日、荻窪清掃工場から4tダンプが4台/日、富士見クリーンステーションからは、4tダンプが週に2台程度を想定する。県道四ツ塚原之郷前橋線からの進入路を整備する予定となっている。
計画埋立容量は22万6000立方mを想定する。平均の埋立高さを7mと仮定し、埋立面積を3・2haとした。敷地面積は浸出水処理施設や管理棟を含めて6〜7haを想定している。
具体的な施設構成は◇貯留構造物◇地下水集排水施設◇雨水集排水施設◇浸出水集排水施設◇浸出水処理施設◇埋立ガス処理施設◇搬入管理施設◇モニタリング施設◇管理棟◇管理道路◇搬入道路◇立札・門扉・囲障設備◇飛散防止設備◇防災調整池−などとなっている。
計画放流水質については、環境省の基準省令や県条例の最も厳しい基準値を適用する考え。水処理フローはアルカリ凝集沈殿処理によりカルシウム除去に始まり◇生物処理(接触ばっ気)◇凝集沈殿処理◇砂ろ過処理◇活性炭処理◇キレート吸着◇消毒−を経て、五代川へ放流する計画となっている。放流水や地下水はモニタリングで管理。結果をホームページで公開する。
遮水構造は二重の遮水シート構造を採用。さらに安全を考慮してベントナイト層とコンクリートを加えた多重構造を予定する。
これらの計画案の詳細を詰め、年度内に公表。順調に進めば、23年度から基本設計に移行する。並行して生活環境影響調査についても実施するとしている。いずれも3カ年を要する見通し。26〜27年度に実施設計をまとめ、発注仕様書を作成する。28〜31年度を建設工事に充て、32年度の供用開始を目指す。
基本構想の時点で示した概算建設費は総額40億9300万円。内訳としては埋立地23億5100万円、浸出水処理施設16億8600万円、搬入道路5600万円となっている。