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建通新聞社(静岡)
2022/06/28

【静岡】迫る残業規制 依然遠い「適正工期」

 時間外労働の罰則付き上限規制が適用される2024年4月まで残り2年を切り、建設業に差し迫った対応が求められている。建設業の月間総労働時間は長期的には減少傾向にあるが、すでに上限規制が適用された他産業との差は縮まっていない。中小企業にとっては、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が23年4月に50%に引き上げられるため、時間外労働に対するコストアップの波が1年早く訪れる。
 19年4月に施行された労働基準法で、それまで実質的に青天井≠セった時間外労働に罰則付きの上限規制が設けられた。週休2日が定着していない建設業には、5年の猶予期間が与えられたが、すでにこの猶予期間も3年3カ月を消化した。
 毎月勤労統計調査(地方調査)の21年の結果を見ると、静岡県内の建設業の月間総労働時間(1人平均、事業所規模5人以上)は165・9時間。10年前と比べ5・1時間減少しているが、すでに上限規制が適用されている製造業のマイナス9・4時間と比べると、下げ幅は小さい。
 静岡県建設業協会と静岡県建設産業団体連合会は6月23日、「働き方改革と建設業〜法令改正で何をしなければならないのか」と題し、協会理事や地区協会の事務局長らを対象に講演会を開いた。講師に招かれた労働衛生コンサルタントの村木宏吉氏は、「月45時間・年360時間の上限規制をクリアするためには、現場の人手を増やすか、工期を伸ばす必要がある」と強調した。
 23年4月からは、残業時間が月60時間を超えた場合の割増賃金率が中小企業でも大企業と同じ50%に引き上げられる(現在は25%)。適正な工期設定や週休2日の定着が不可欠だが、村木氏は「1社、2社だけの努力で達成は難しい」とも話した。
 建設産業専門団体連合会が行った調査に対し、専門工事業者の65・7%は、週休2日を導入できない理由に「適正な工期が確保できないため」と回答した。適正な工期を実現するため、中央建設業審議会は改正建設業法に基づく「工期に関する基準」を策定したが、まだまだ実効性が伴っていない。
 県建設業協会の石井源一会長は23日の講演会で、「特に民間工事では、受注の時に工期が決められることがほとんど。法令違反をしてペナルティーを受けるのはわれわれだ」と厳しい中小建設業の立場を訴えた。