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鹿児島建設新聞
2022/06/30

【鹿児島】桜島火山対策の来年度予算要望/防災営農 次期計画の策定を

 鹿児島市や垂水市など4市(議会含む)で組織する桜島火山活動対策協議会(会長・下鶴隆央鹿児島市長)は、火山対策について国や県等に対し2023年度予算に対する要望内容を決めた。防災営農対策については次期整備計画を策定し必要な予算確保を求め、直轄による道路整備では、国道220号牛根境防災の亀割峠防災等の避難経路、防災施設となる砂防や治山の着実な整備を要望する。

 主なものをみると、桜島の降灰等による農作物被害の防止・軽減を図り、農家の経営安定と地域農業の健全な発展を推進する防災営農施設整備は、現計画(第16次)が22年度までとなっている。このため、次期計画(第17次、23〜25年度)の策定と必要な予算確保、火山ガス被害防止対策で調査研究の継続を求める。
 直轄による道路整備は、国土強靭化に向け牛根境防災を20年度から着手。起点は垂水市牛根境で終点は霧島市福山町。牛根境集落より終点側の異常気象時通行規制区間は、土砂崩壊が発生すると大規模になる可能性が高く、橋梁5基で回避。22年度から用地買収に取りかかる。
 亀割峠防災は21年度から着手。区間は霧島市福山町福山〜同市国分敷根までで、付近一帯は大規模な土砂流出の危険性があるシラスや風化岩等からなる急峻な斜面が広がる。安全性確保のため山間部をトンネルで貫くため、環境への影響を把握するための現地調査等を継続する。
 桜島砂防の施設の中には、施工後数十年が経過したものもあり、繰り返し巨石を含んだ土石流の流下により、護岸等の砂防設備に損傷が生じているため、改築で機能を確保する。持木川流域と春松川流域等の砂防施設改築は26年度完成を見込んでいる。
 桜島地区民有林直轄治山は引ノ平沢、八谷沢、長谷川等の土石流氾濫防止で、中流部から上流部のダム工と護岸工による整備推進を求める。
 また、降灰防除施設の整備は、活動火山対策特別措置法に基づく学校空調等の機器更新を含む設備整備に必要な事業費の確保と優先的な補助採択を盛り込んだ。


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