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建通新聞社(静岡)
2022/07/04

【静岡】インフラ長寿命化 行動方針10年ぶり見直し

静岡県は、老朽化したインフラを予防保全型で管理するための「社会資本長寿命化行動方針」を10年ぶりに見直す。2012年度にまとまった行動方針に基づき、県管理のインフラは優先的に対応している構造物(26工種)で予防保全管理に伴うコスト縮減が進展。策定後10年間の社会情勢の変化を踏まえ、人口減少、カーボンニュートラル、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などの視点を行動方針に追加する。
 高度経済成長期に建設されたインフラは老朽化が進み、更新時期を迎えている。政府は、損傷や劣化が進んでから対策を講じる事後保全型に代わり、定期的な点検・診断の結果を踏まえて補修・更新する予防保全型管理の導入を全国のインフラ管理者に求めている。
 県の行動方針は、こうした予防保全管理を交通基盤部の土木インフラに取り入れるため、13年3月にまとまったもの。今後のインフラ管理の全体像や工種ごとのマネジメント体系などを示しており、県はこの方針に沿って優先的に予防保全型管理を取り入れる26工種を決定。工種別の「中長期管理計画」をまとめ、維持管理水準や点検頻度などを明示している。
 県によると、中長期管理計画を策定したインフラの維持管理・更新費は、事後保全型に比べて年間121億円を圧縮できる見通しだという(今後30年の平均値)=グラフ参照=。
 予防保全管理への転換が進んだ一方、この10年でインフラを取り巻く社会情勢は大きく変わった。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、インフラにも脱炭素化が求められている他、ドローンやAIなど新技術を活用した点検技術も実装されてきた。人口減少が始まり、将来的なインフラの廃止・集約の必要性も高まっている。
 県はこうした変化を踏まえて行動方針を見直すため、2022年度に有識者会議を立ち上げる。現在は中長期管理計画を策定していない道路照明などの工種についても対応を検討する。

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