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建設経済新聞社
2022/07/07

【京都】向日町競輪事業の存廃の再検討 7月11日に外部有識者会議の初会合開催

 京都府は、3月にまとまった包括外部監査で「新たな第三者委員会により、存続に関する再検討を早急に行うべき」との意見を受けた向日町競輪事業について、7月11日に外部有識者会議の初会合を開催する。
 令和3年度包括外部監査では「京都府は早期に競輪事業の存廃を決断し、継続する場合には将来の経営安定、将来に向かって使用する見込みのない老朽化設備の先行取壊しを含む施設整備に向けた資金留保等を目的とした基金を設置し、公営競技納付金を合理的に削減した上で、一般会計への繰出しを果たすべき」「修繕に要する費用の予算化が難しいとしても、修繕が必要な項目をリストアップしておき、優先順位が高いものから、毎年度の予算において計画的に修繕を実施していくべき」「向日町競輪場に隣接する駐車場は身体障害者向けの第1駐車場のみであり、車で来場する人にとって非常に不便。利便性の向上として、令和3年度内に返還される予定の向日町消防署跡地を専用駐車場として活用することを検討すべき」「向日町競輪場の現在のバンク(傾斜した走行路)は、昭和61年以降、35年間も大規模改修が実施されておらず、遠くない将来、競輪運営の大前提となる競争の安全性に懸念をもたらす状況であることから、今後の競輪場のあり方検討において、存続を決めた際には早急に大規模改修に着手されたい」「将来の改修時には、走路内施設を撤去することが望ましい」「現在閉鎖されている第4投票所棟(及び第2観覧席棟)、第5投票所棟(及び第1観覧席棟)は、昭和36年・40年に建設されたもので、耐震化もされていない状況。今後、年数が経過するにつれて倒壊のリスクが高くなることから、奈良競輪場での取組を参考に、遠くない時期に取壊しを選考することが望ましい。なお向日町競輪場の存続が未確定な時期にこれらを取り壊すことで不必要に廃止の議論が高まる可能性もあるため、取壊しの時期は京都府の方針が確定した後に実施されたい」「京都府は検討委員会報告における地方財政への貢献という判断基準を再確認し、新たな第三者委員会による向日町競輪事業の存続に関する再検討を早急に行うべき」などと指摘。
 指摘事項に加え、▽向日町競輪場のリニューアル費用の想定は解体費+バンク全面改修+メイン施設の建替えの合計30〜36億円と、追加実施工事10億円の合計約45億円と見込む▽将来収支シミュレーションの結果、最も収益性を低く見積もったケースでも、単年度収支が毎年度7億5000万円見込め、毎年度1億円以上の一般会計繰出金を実施しても、リニューアル費用は7年間で完済可能と判断されるとし、「向日町競輪事業検討委員会の報告書において、競輪場の存廃を判断する最も重要な基準は京都府財政への繰出しが可能か否かだった。現在、向日町競輪場は安定した収支黒字を計上しながら一般会計への繰出しを継続的に果たしており、今後はこれまで以上の収支黒字も見込まれている。また施設の老朽化の課題も、将来収支シミュレーションの結果を踏まえると、施設の建替えに必要と見込まれる資金を中期的に償還することが可能と試算されたことから、現在の状況から客観的に判断すれば、競輪場を廃止すべきと考える要素は消失しており、向日町競輪場は存続させるべきと考える」との意見を付した。
 外部有識者会議の初会合では、向日町競輪事業の状況、これまでの経過を報告した上で、意見交換を行う。