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建通新聞社(神奈川)
2022/08/03

【神奈川】川崎市 入江崎統合幹線など基本計画を策定

 川崎市は、過去に浸水被害が発生し重点化地区に位置付けられている京町・渡田地区、大島地区、観音川地区で、大規模な下水管渠「入江崎統合幹線」を整備する。各地区から集めた雨水を貯める機能も担い、一体的な浸水対策を進める。
 入江崎統合幹線の整備と併せて、地区内のポンプ場から統合幹線に接続する遮集管、市街地からの雨水を集める雨水導水管を敷設する。入江崎統合幹線には自然流下の機能を導入し、各ポンプ場から集めた下水を入江崎水処理センターまで運ぶ。これに伴い、各ポンプ施設の汚水揚水機能は廃止し、入江崎水処理センターに新たな揚水施設(仮称・大島系送水ポンプ棟)を設置する。
 各ポンプ場は耐用年数を超えていることから、廃止した汚水揚水機能の用地を活用した再構築が計画されている。
 入江崎統合幹線の整備と周辺地区の浸水対策に進めるに当たって、本年度内に基本計画を策定する。支援業務をNJS横浜事務所(横浜市中区)に委託し、入江崎統合幹線などの管渠や入江崎水処理センターの新ポンプ棟の設計に向けて遮集量や施設の規模などを検討し、計画をまとめる。履行期限は2023年3月15日まで。
 同地区の下水は京町ポンプ場から渡田ポンプ場、大島ポンプ場を経由し入江崎水処理センターで処理されている。これら3カ所のポンプ場を経て水処理センターに接続する遮集管と、観音川ポンプ場から同水処理センターに接続する遮集管がいずれも老朽化していることから、入江崎統合幹線を敷設し、新たに浸水対策を行う。 
 入江崎統合幹線は延長約3700b、管径約6000_の合流式で、導水管などから集める雨水の貯留量は約8万5000立方b。コンクリートまたは鋼製の管渠をシールド工法で敷設する。遮集管は総延長約5200b、管径1200〜1800_、雨水導水管は総延長5600b、管径800〜3000_程度を想定している。いずれも経路や区間などは今後検討していく。

 〜統合幹線、雨水導水管、新ポンプ棟などの計画まとめる〜

 支援業務では、遮集幹線の仕様を決定するため、入江崎水処理センターへの雨天時の遮集量を検討する。また、入江崎水処理センターに新設するポンプ棟と、遮集量を増やすに当たって既存施設では対応できない場合に新たに設置する高速ろ過施設、消毒施設、沈砂洗浄設備などの施設計画をまとめる。
 入江崎水処理センターに直接雨水を流入していることが維持管理上の課題となっている大師臨港排水区については、排水系統の変更など対策案を検討する。これを踏まえて、入江崎統合幹線、遮集管、雨水導水管について施工方法や概略図面などの基本計画を策定する。
 この他、局所的な浸水対策が計画されている川崎駅西口周辺地区の浸水対策についても、入江崎統合幹線へ分水するかどうかを含め、公共用地の活用や近隣ポンプ場の能力の増強など対策案を提案する。

〜入江崎統合幹線の着工は25年度目指す〜

 本年度内に基本計画を策定し、23年度上半期に基本設計の一般競争入札を公告する。24年度に実施設計、25年度に統合幹線の工事に着手する見通しだ。今後は国と調整しながら、20年程度の計画で整備を進める。 提供:建通新聞社