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建通新聞社(岡山)
2022/08/08

【岡山】岡山河川 旭川中上流ダム再生へ 概略設計など着手

 国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所は、湯原ダム・旭川ダムを対象に洪水調節機能確保のための再生事業としてトンネル洪水吐案、下流移設案を検討する旭川中上流ダム堤体関連概略設計などに着手した。今年度中に概略の調査設計をまとめ、岡山県や関係市町村との調整など関係機関との協議も進めて数カ年のうちに整備の方向性を固める見通し。
 旭川水系河川整備は、2008年1月の整備基本方針を基に目標流量など枠組みを定め整備している。18年7月豪雨災害の影響により、基本方針を具現化する河川整備計画を19年6月に変更、洪水氾濫対策として基準点の岡山市北区下牧地区の目標流量をこれまでの4700立方b/秒から6500立方b/秒に引き上げた。経験した最大級の災害に対応した洪水対策を考慮し中上流の2ダムの再生を図る。
 トンネル洪水吐案はダム堤体を迂回した大規模トンネルにより洪水調節機能を果たす方式。一方、下流移設案はダム本体の座取り検討を行い、移設に適した地形や条件を考慮して新たに下流側へダム本体を移設する方式。いずれの方式が適切かは今後の調査検討作業の中で詰める。施工計画案や堤体関連の概略設計案も同時に作成する。
 旭川中上流ダム堤体関連概略設計他業務は建設技術研究所(東京都中央区)が担当している。
【旭川ダム】1954年に完成した重力式コンクリートダム。堤体は高さ45b、堤頂長212b、堤体積14万6000立方b、クレストゲート幅12b×高さ9・3b10門などがあり、取水塔や放流トンネルも備えている。満水位はEL110bで、放流量は650立方b/秒を超えると洪水調整に入る。
【湯原ダム】55年に完成した重力式コンクリートダム。堤体は高さ73・5b、堤頂長194・4b、堤体積21万8631立方b、ローラーゲート幅5・5b×高さ8・2b6門があり、中国電力(広島市中区)が水力発電を行っている。満水位はEL402b。

提供:建通新聞社