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建設経済新聞社
2022/08/19

【京都】総合計画改定中間案まとめ 7つの広域連携プロジェクト盛る

 京都府は18日、総合計画改定案の中間案を明らかにした。府が目指すべき8つのビジョンを設定するとともに、府を4つのエリアに分けた地域毎の広域連携プロジェクト(7プロジェクト)を策定する。
 総合計画策定検討委員会に報告した中間案によると、8つのビジョンは、[安心]@安心できる医療・福祉基盤の充実(平時有事に対応できる医療・福祉体制づくり)A災害・犯罪等からの安心・安全(自然災害等への安心・安全の確保)、[温もり]B子育て環境日本一・京都の実現C人にやさしく豊かさを感じられる生涯現役・共生の京都づくりD共生による環境先進地・京都の実現(人と自然が共生する京都づくり)、[ゆめ実現]E未来を拓く産業づくり(活力ある産業づくり)F文化の継承と創造(伝統文化の継承と新文化の創造)G交流による新たな地域づくり(ヒト・モノが集まり活力が湧き出る地域づくり)。
 8つのビジョンを効果的に推進するためには、人・物・情報の流れや日々の生活の基盤を強固なものにする必要があるとし、府域で京都縦貫自動車道、新名神高速道路などの道路網の整備、JR奈良線複線化などの鉄道網の整備、京都舞鶴港国際ふ頭など港湾施設の整備、5G情報網の整備が進む中、今後更なる広域交流・連携を促すためには、ミッシングリンクの解消、幹線道路の整備、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やメタバースなど新技術に対応した情報網の整備を着実に進めるとともに、地域公共交通機関の維持やデジタルデバイド(情報格差)への目配りも欠かせないとした。
 7つの広域連携プロジェクトをみると、@産業・物流広域連携プロジェクトでは、府内各地に産業創造リーディングゾーンの形成を図る。分野別でシルクテキスタイル産業の主な拠点は▽丹後テキスタイル(京丹後市)▽西陣・堀川地区(京都市)。
 脱炭素産業の主な拠点は▽サスティナブルパーク(宮津市)▽ZET−Valley・阪急洛西口駅周辺(京都市)及びJR向日町駅周辺(向日市)。
 環日本海物流促進の主な拠点は▽京都舞鶴港(舞鶴市)▽北部物流拠点(綾部市)。
 ヘルス・スポーツ産業の主な拠点は▽京都府立京都スタジアム、京都先端科学大学(亀岡市)▽明治国際医療大学(南丹市)▽京都府立丹波自然運動公園京都トレーニングセンター(京丹波町)。
 クロスメディア産業の主な拠点は▽太秦メディアパーク(京都市)。
 フードテック産業の主な拠点は▽けいはんなフードテックヒル(京田辺市、精華町)。
 新名神・近未来都市形成の主な拠点は▽城陽市東部丘陵地(城陽市)。
 アート&テクノロジーの主な拠点は▽アート&テクノロジー・ヴィレッジ(大山崎町)。
 A文化・スポーツ広域連携プロジェクトでは、北山文化環境ゾーン、京都文化博物館、府立郷土資料館等を結んだ新たな文化・交流拠点づくりとネットワーク化のほか、トップアスリート育成に向けたジュニアスポーツアカデミーの創設等に取り組む。
 B観光・交流広域連携プロジェクトでは、オープン工房・オープンファームなど新しい産業観光の推進、都市と田園が共存する強みを活かしたミニMICEの誘致、関係人口が地域と連携して活動できる拠点や定期的に交流できる仕組みの構築等に取り組む。
 C京都府北部地域連携都市圏広域連携プロジェクトでは、京都舞鶴港や高速道路網の基盤整備を進めるとともに、豊かな自然環境や産業集積地が共存する強みを生かし、新たな産業拠点の形成や、他地域から人々を呼び込める職住一体型の生活圏の構築を進める。
 産業リーディングゾーンは、丹後テキスタイルパークの形成、環日本海物流促進(北部物流拠点)(京都舞鶴港)、綾部工業団地(北部物流拠点)。また府立丹後郷土資料館の博物館化(公開承認施設)を進める。
 D南丹地域スポーツ&ウェルネス&ニューライフ広域連携プロジェクトでは、豊かな自然を生かした日本有数のスポーツ健康エリアとして、地域の各大学とも協働したスポーツ&ウェルネスの産学公実証を核にした地域づくりを進める。
 都市部に近接しながらも自然や豊かな食が豊富であることを生かし、産業創出とともに、新しい価値の創造を目指す。
 府中北部へのゲートウェイとして人流・物流を促進する。
 E京都府南部イノベーションベルト広域連携プロジェクトでは、産業、大学・教育機関や研究機関が集積する強みを活かして、イノベーションの相乗効果により新たな産業や価値を生み出し、京都の成長エンジンとなる地域を目指す。
 新たな国土軸である新名神高速道路やアクセス道路の整備を着実に進めるとともに、人流・物流の核として各地域の取組との連携を強化する。
 地域の文化やスポーツに親しむ環境を生かし、暮らしと経済の好循環が起こる新しい価値を創造する地域を目指す。
 Fグレーターけいはんな広域連携プロジェクトでは、関西文化学術研究都市への研究機関等の集積を活かし、世界の最先端と交流するオープンイノベーションの起こり続ける都市づくりを進める。相楽東部において学研都市と連携し「次世代型スマートシティの実現」等の取組を進め、未来技術が実装された都市と田園が共存する地域を目指す。
 文化・観光拠点として、恭仁京跡地の整備、府立山城郷土資料館との連携を図る。
 中間案は9月議会に報告し、府民からの意見を募るパブリックコメントを経て、12月議会に最終案を提出する予定。