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建設経済新聞社
2022/08/26

【京都】木津川市加茂町の恭仁宮跡活用整備 パスコで基礎調査に着手

 京都府教育委員会は、国指定史跡の恭仁宮跡の活用整備に向け、基礎調査に乗り出す。
 恭仁宮跡は、奈良時代に聖武天皇が天平12年(740年)から足かけ5年間営んだ宮跡。後に山城国分寺に施入された。大極殿の基壇や国分寺塔基壇が残り、発掘調査によって2つの内裏や朝堂院等が見つかっている。
 6月には宮域南辺築地塀にあたる範囲が史跡に追加指定された。追加指定地は木津川市加茂町河原の1311u(既指定面積26万6298・39u、追加指定後の面積26万7609・39u)。
 府教委は6月補正予算で「京の史跡・歴史遺産活用整備事業費」に2700万円を新規計上して事業化。現在の国の礎となった恭仁宮(木津川市加茂町の国道163号沿い)を広く知り・触れるための環境整備や、府南部地域振興の拠点とするための検討を開始する。特別史跡昇格に向けた価値付け作業として、昇格に向け、これまでの調査結果の総括を行う価値付け作業や、全国の専門家が集まる学術フォーラムを開催する。また恭仁宮の活用整備に向けた検討として、恭仁宮活用整備検討協議会を設置し、史跡の活用整備にあたり必要となる諸条件の確認を行う調査を実施する。
 恭仁宮跡を巡っては、6月議会予算特別委員会小委員会の総括質疑(7月22日開催)において質疑があり、府教委は「恭仁宮活用整備検討協議会には地元の木津川市や、お茶の京都DMOにも参画してもらい、府の関係部局や山城広域振興局も交えて、対象エリアや整備内容、活用方法などについて意見交換を行いたい。加えて、地元住民にも参加してもらうワークショップを開催したい。そうした中で恭仁宮遺跡の活用整備に向けた地元の機運醸成を図りたい」「地域振興の現時点でのイメージについては、平城宮造営に使われた木材を運んだ木津川や、聖武天皇が行幸した和束の景観など、この地域が歴史的エリアであったことを広めることに加え、例えばデジタル技術なども活用し、恭仁宮があった天平時代の魅力を感じてもらえる拠点を整備することなどが考えられる」「また今後整備が進む国道24号城陽井手木津川バイパスなど、道路網と連動させることで相楽地域における歴史・文化の発信や地域の周遊にもつながるのではないかと考えている」「府教委としては、地域の意見をしっかりと聞きながら、恭仁宮遺跡が府南部地域の魅力ある地域振興の拠点となるよう、木津川市や関係部局とも連携し、しっかりと活用整備を検討したい」などと答弁した。
 府教委は関連業務として、国指定史跡恭仁宮跡の活用整備に向けた基礎調査業務について、8月17日に入札を実施。パスコ京都支店(京都市中京区)が落札した。業務期間は令和5年3月31日まで。