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北陸工業新聞社
2022/08/29

【石川】首長に聞く/輪島市長/坂口茂氏/図書館、文化会館整備へ検討/臨空産業団地の造成に着手

 3月の輪島市長選で初当選し、市政のかじ取り役を担い5カ月が経過した坂口茂氏。6月補正予算に公約に掲げた施策を盛り込み、観光交流人口の増加や、市街地の活性化、安全・安心なまちづくりなどの事業が本格的に動き出す。坂口氏に今後の展望を聞いた。

 文化・スポーツの振興策として、公約に掲げた「輪島にふさわしい図書館の整備」。この実現へ向け、老朽化した文化会館と同館に入る現市立図書館の在り方の検討作業に本格着手する。「6月補正予算に基本的な計画策定に関する事業費を計上した。もっと多くの人が訪れるような施設にできないか考えていきたい」と意欲を見せる。
 文化会館は築41年で、公共施設の中で唯一耐震化されていない。耐震工事も選択肢の一つとしているが、相当な事業費が必要になることが予想される。こうした状況を踏まえ、「遊休用地での施設整備も視野に入れ、図書館単独なのか、文化会館などと複合施設とするのかを含め、検討委員会での議論を参考に方向性を出したい」と話し、旧輪島駅周辺一体のさらなるにぎわい創出を目指していく。
 企業誘致にも力を注ぐ。能登空港に隣接し、2001年度に「オーダーメード方式」で分譲した臨空産業団地について「何区画かを先に整備して、すぐに企業からの問い合わせに対応できるようにしていきたい」と、新たな造成に着手する方針を示す。
 昨年度から2カ年で造成計画の変更作業を行っており、「来年度から造成工事に入っていきたい」と、スピード感を持って事業を進める考えだ。
 老朽化した輪島浄水場の更新事業も重要なプロジェクト。「もっとも大切なライフラインの一つ。しっかりと整備をしなければいけないと思っている。安全な水を安定的に供給するためにやらなければいけない」と述べる。今年度は基本設計に着手し、完成が見込まれる8年後を見据え、着実に事業を進めていく。
 学校給食の無料化や、利便性の高い公共交通網の構築、食や漆芸などを核とした交流人口の拡大などにも取り組む。「行政が率先して旗振り役を務めていかないといけない」と力を込め、輪島の未来を創るべく全身全霊を捧げる決意だ。

 さかぐち・しげる 徳島大工学部卒。民間会社勤務を経て1982年に旧輪島市役所入庁。輪島市交流政策部長などを歴任し、2013年から21年4月まで副市長。今年3月の市長選で初当選した。趣味は読書、映画鑑賞。65歳。

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