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建設新聞社(長崎)
2022/08/29

【長崎】長崎市が陸上競技場跡地への移転提案

長崎市市民総合プール
   平和公園再整備基本計画検討委員会


 第4回長崎市平和公園再整備基本計画検討委員会(西岡誠治委員長・長崎県立大学地域創造学部公共政策学科教授)が開かれ、市民総合プールを含む平和公園西地区の再配置案を検討。市は長崎南北環状線(仮称)松山IC整備に支障する市民総合プール(屋内・屋外)の移転先を、市営陸上競技場跡地とする案を示し、委員から主だった反対意見は出なかった。弓道場および庭球場の一部(1面程度)はソフトボール場跡地に配置、ソフトボール場は公園外への移転を念頭に別途検討する。

 現状の市民総合プールは敷地面積約1万3300平方b(屋内約6800平方b、屋外約6500平方b)。市は陸上競技場跡地への移転と、中部下水処理場跡地への移転の両案を比較した。陸上競技場跡地では高さ制限はあるものの、現在の建築面積に建蔽率余裕範囲(約5000平方b)を加えた約1万2000平方bまでは増築可能。中部下水処理場跡地はバス停電停から遠くなるだけでなく、駐車場がない、地下構造物と多数の杭(約5000本)があり建築に大きな制限があるなどの点から工事費が増加、陸上競技場跡地が優れているとした。

 移転先となる陸上競技場については、400bトラックを現在地に配置することは難しいが、600b走路や芝生広場は(形状や面積は変わるものの)一定現在地周辺に確保することは可能であり、中部下水処理場跡地活用も含めたまちづくりとの整合を図りながら、これも別途検討するとした。なお、現施設は練習等に利用されており、競技大会は開催されていない。

 同委員会は県が実施する長崎南北幹線道路整備計画において、平和公園西地区のスポーツ施設が一部支障するために再配置(基本計画)を検討するもの。基本計画は現時点で▽平和公園(西地区)の基本方針▽ゾーニングとゾーニング別の整備方針▽動線、景観形成、緑化の考え方▽既存スポーツ施設再配置計画の基本的な考え方―を盛り込む方針で、同日にはそれぞれの項目案について審議した。

 このほかの項目では、ゾーン別整備方針で西地区をAゾーンからTゾーンに分け、前回委員会の意見をもとにゾーン別の整備方針(案)を修正。長崎南北幹線道路の高架下(現市民プール周辺)は前回までに示していたニュースポーツ利用に限定することなく、多目的空間(スポーツ・小広場・遊戯広場・駐車場・駐輪場など)として活用する、地区南端部には眺望点や親水区間を形成するなどの変更を行った。

 動線・景観形成・緑化の考え方では前回から大きな変更等はなく、現陸上競技場下への新たな地下駐車場整備の検討も記載継続した。景観形成の面では再整備する西地区全体が高さ21b以下、なかでも現陸上競技場の一部を含む稲佐山眺望ゾーンに関しては高さ約20メートルとする制限を確認。緑化に関して支障樹木は基本的に移植、適切な緑量を確保するなどとした。

 市によると、現在のところ今後2回ほどの検討を経て計画案のとりまとめを行いたい考え。
ksrogo