トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2022/09/06

【三重】県 県土整備政策会議で担い手確保考える 入社後の追跡調査など必要

 三重県県土整備部は9月5日、本年度2回目の県土整備政策会議を開いた。建設業の担い手確保に向けた取り組みの効果と、技術系公務員の人材育成を議題に、建設業課の林田充弘課長、公共事業運営課の向井田亮課長、技術管理課の水谷覚課長が説明した。委員からは、建設業界に入職した人の「入社後の追跡調査」や、これからの人材に業界へ興味を持ってもらうため「生徒一人一人の意識を調査」するなどの意見が出された。
 県内の就業者数は、1995年の94万9000人をピークに2020年には84万6000人まで減少。建設業も同様に9万4000人から5万7000人となった。公共事業に携わる工事への配置技術者の年齢構成を見ると、40歳未満の技術者は13%しかいない。加えて、高卒就業者が3年以内に離職する数も4割を超える。
 民間の厳しさに加え、行政の技術者数の減少も懸念材料だ。県土整備部の技術者数が10年間で5%減少した上、50歳以上の割合が約42%に上る。
 これら現状を踏まえ県土整備部は、担い手の確保に向けて▽建設業への理解▽休日の確保▽労働時間の是正▽技能労働者の処遇―にポイントを絞って取り組んでいる。建設業への理解を深めてもらおうと魅力発信として、現場見学会や出前授業、先生と企業の交流会などを開く。休日の確保については、完全週休2日の導入率が全産業に比べ10%程度低いという課題がある。
 現在、週休2日制工事(4週8休、指定)の対象を拡大しており、26年には全ての工事で導入を目指す。労働時間も問題の一つに挙げられており、全産業に比べ年間300時間以上多い。長時間労働の是正に向けて施工時期の平準化やICT活用工事を進める。処遇改善に向けて建設キャリアアップシステム(CCUS)を促すとした。
 技術系公務員の人材育成の面では、今後研修を行う上で、より重要視されること(脱炭素や維持管理、DXなど)と、どのように育てていけばいいか委員に質問した。「座学ではなく、アクティブラーニング」「学会の有効活用」といった意見があった。県土整備部からも今日の意見を生かしていきたい旨の発言があった。

提供:建通新聞社