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滋賀産業新聞
2022/09/14

【滋賀】県大津土木 吾妻川のトンネル放水路・分水工整備

 大津市の中心市街地を流れる吾妻川の氾濫防止として計画されているトンネル放水路について、所管の県大津土木事務所は、今年度に放水路及び分水工の予備設計に取り掛かる。予備設計に係る入札を公告したもので、11月7日に開札、担当コンサル決定後は、約1年間をかけて業務を行う。その後のスケジュールは流動的だが、県の河川整備計画に位置付けし、詳細設計に着手、そして着工となる。
 吾妻川は、13年(平成25年)に発生した台風18号により、上流では土砂崩れや破堤が起こり、JR大津駅東側の橋のあたりに流木や土砂が溜まって流れなくなったため、沿川で泥水や土砂が溢れその水が、一斉に低い所を伝い、琵琶湖の方へ流れていったため広域の家屋や道路の浸水が発生。それにより、県は早急な対策が必要とし14年に「第1期河川整備5ヵ年計画」を打ち出し対応を進めてきた。また、同河川にはJR線・京阪線が通過しており、また周辺施設に県庁舎などの主要公共施設が設置されている。18年に発生した西日本豪雨のような大雨が局地的に発生した場合、現地は人口密集地であり公共交通機関が含まれていることもあることから、整備計画自体も慎重にかつ利用者の迷惑にならないよう整備を進めなければならないため、同事務所では綿密に整備計画をまとめている段階。
 これまでの構想では、改修区間は県庁裏からJR大津駅手前までの大津市京町4丁目〜大津市逢坂1丁目・音羽台地先)。現在流れている吾妻川の拡幅では、流下能力不足の解消困難なことから、河川下にトンネル河川を中心とした放水路を施工する。トンネルは、3700_の円形水路で、シールド工法によって施工の見通し。放水路全体の施工延長はL1100b。放水路上には分水工2基の設置も予定。施工にあたっての立坑は2ヵ所で、県庁裏の駐車場付近と大津市逢坂1丁目と音羽台の境目あたりとなりそう。
 吾妻川は、大津市逢坂1丁目の山中に発して北流、山を出てJR琵琶湖線に突き当たる付近(逢坂山トンネル出口付近)で東に転じ、その後、滋賀県庁の東で北に向き、大津港脇のおまつり広場公園(大津市島ノ関)で琵琶湖に注いでいる。

提供:滋賀産業新聞