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建通新聞社四国
2022/09/14

【高知】気候変動踏まえ土佐湾沿岸の対策検討へ

 近年の気候変動により海岸で台風時の潮位や波の高さ、津波の高さの増大、海面上昇による砂浜の減少などが懸念されている中、土佐湾沿岸の海岸保全施設での対策を技術的に検討する会合が9月7日に初めて開催された。土佐湾沿岸のうち、人口の多い土佐市から香南市までの中央部を対象に、ハード・ソフト両面での総合的な対策を進める方針で、今回は、気候変動を踏まえた計画外力の設定方法に向けた検討方針について協議した。
 外力設定に関する基本的な考え方として、気象庁が2020年に示した予測結果を基に、海面温度が2度上昇することを前提とし、海面水位が平均39a上昇すると設定。簡易な推定式により高潮・波浪シミュレーションモデルを構築することと、津波シミュレーションを実施することを決定した。
 次回以降の検討会では、これらのシミュレーション結果と計画外力を確認し、計画高水位、設計波、設計津波などの防護水準を検討。堤防高や海岸保全施設の配置、ソフト対策などの方針をまとめる。その際に施設の耐用年数、地域ごとの特性を踏まえた段階的な防護水準の設定、南海トラフ地震の発生による地殻変動の取り扱いなどに留意する。これらの検討結果を県の「海岸保全基本計画推進委員会」に報告した後、「土佐湾沿岸海岸保全基本計画」を改訂する予定。
 技術検討会は、学識経験者ら8人で構成。国土交通省高知河川国道事務所と県港湾・海岸課が事務局を務める。
提供:建通新聞社